【CD学習】ほんとにかけ流すだけでいいの?耳からの記憶力の効果とは?

こんにちは!しちだ・教育研究所です。

小さい子供の記憶力は、大人が思っているよりもずっと能力が高く、
「いつの間に覚えたの?」「どこで覚えてきたの?」ということもよくありますよね。
中には、「覚えなくてもいいことばっかり・・・」と思われることもあるかもしれません。
大人に「だめ」と言われることほど、お子さまにとっては面白くて楽しいからこそ、より記憶に残りやすく、
さらに何度も繰り返すので、余計に脳に定着してしまうんですよね・・・。

小さい子供にとって、耳から聞こえるものを記憶するという力は、
さまざまな情報を得る上で、とても大事なことなのです。
幼いころから記憶力を高めておくと、後々役に立つこともたくさんあります!
CDなどを上手に使って、お子さまの記憶力を高めるトレーニングをしましょう!

目次
1.赤ちゃんはいつから聞こえている?
2.質のよい”耳”を育てるには?
3.まずはCDのかけ流しからスタート!
4.リトミックで身体も一緒に動かして楽しもう!
5.音クイズで楽しくゲームをしよう!
6.暗唱で一石二鳥!よい”耳”と”心”を育てよう
7.音楽系の習い事はいつ始めるのがベスト?

 

赤ちゃん聴覚

1.赤ちゃんはいつから聞こえている?

生まれたばかりの赤ちゃんは、視覚が十分に育っておらず、
はっきりとものが見えません。
でも、聴覚はとても発達していて、さまざまな音を聞くことができます。
聴覚は胎児の段階で、既に発達し始めているので、
「いつから聞こえている?」といわれれば、「生まれる前から」ということになりますね。

実は、この「聞く力」は、生まれたときをピークに、
だんだんと衰えていってしまうのです。

たとえば、言語。
子供はある程度成長すると、自然に言葉を話し始めます。
日本に生まれれば日本語を、アメリカに生まれれば英語を。
生まれた国の言語に触れることで、自然に言葉を獲得するのです。

しかし、大きくなってから英語を話したいと思うときには、
ネイティブの発音を聞き取り、同じように話すのは一苦労です。
大人になるにつれて、日本人はネイティブの英語の発音が聞き取りづらくなります。
それは、母国語が日本語である日本人は、
普段の生活の中で、その音を聞き取る必要がないからです。
成長していく過程で、その能力が必要なければ、自然と消えていってしまうのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、これからどんな環境で育っていくのかわかりません。
ですから、日本人同士の子供であっても、海外の国で生まれ育つと、
その国の環境に適応するために、その国の言語に必要な音を習得するのです。
言ってみれば、どんな環境でも生きていけるように、100%以上の能力を持って生まれ、
そこから徐々に必要な力だけを残していくということなのかもしれません。

「英語はなるべく早い時期から始めた方がいい」と、聞いたことはありませんか?
このように言われる理由は、小さいうちの方がよい耳を持っていて、
さまざまな音を聞き分けられるからなのです。

また、まだ目がはっきりと見えない赤ちゃんにとって、
耳から入る情報は非常に重要です。
お腹の中にいるときには、あまりよく聞こえなかった音ですが、
外の世界に出れば、初めて聞くさまざまな音で溢れています。

そんなとき、お腹の中でいつも聞いていた、
お父さんお母さんの声が聞こえたら、どんなに安心するでしょう。
もちろん、会話のすべてを理解できるわけではありません。
でも、「まだ赤ちゃんだから、何を言ってもわからない」と思うのは間違いです。
赤ちゃんの耳は、大人が思っている以上に発達していて、
聞くことによって、日々、いろんなことを学んでいるのです。

 

親子あそび

2.質のよい”耳”を育てるには?

子供は耳から言葉を聞き、覚え、自然に話すことができるようになりますが、
「音」も、これとまったく同じです。
小さなうちから「音」に接する環境を整えてあげることによって、良質な”耳”は育ちます。

「絶対音感」という言葉を聞いたことがありますか?

耳で音を聞いたときに、ドレミの音階の何の音かすぐにわかったり、
すぐに同じ音を再現することができる力のことです。
絶対音感なんて、特別な人だけが持っているものだと思っていませんか?

絶対音感は、3歳未満であれば誰もが持っている力だといわれています。
でも、これも言語と同じように、使わなければだんだんと消えてしまう能力なのです。

この時期に、どれだけたくさんの良質な音楽環境が与えられたかによって、
「絶対音感」は育まれていきます。

だからといって、音楽家を育てるような英才教育をする必要はありません。
いろんな音楽や楽器の音を聞かせてあげるといいのです。

身近なものでいえば、子供用の童謡などを聞かせることが多いと思いますが、
それだけではなく、クラシックやバロック調の音楽、
ピアノバージョンやオーケストラバージョン、オルゴールなど、
普段は聞く機会のないさまざまなタイプの音楽に触れさせてあげましょう。

楽器もすべて買って聞かせるのは大変ですから、
児童館などに置いてある楽器を使ってみたり、
小さな子供でも参加できるようなコンサートに出かけてみたりと、
本物の音を聞かせて、良質な”耳”を育ててあげましょう。

 

乳児

3.まずはCDのかけ流しからスタート!

おうちですぐにでも始めたいのは、何と言ってもCDのかけ流しです!

音楽を聞く習慣がないご家庭では、1日30分のCDのかけ流しから始めましょう。
専用の教材を用意しなければできないというものではありません。
子供用の童謡からで十分です。
クラシックのCDでもいいので、まずは身近にあるものから始めてみましょう。

ポイントは、「かけ流し」です!
1曲1曲集中してじっくり聞く・・・というよりは、
BGM程度の音量でかけ流すくらいがちょうどいいので、
意識せずとも、自然に耳に入る環境作りをしましょう。

ただ、テレビやスマホ・タブレットなどを使って動画を見せながら聞かせるのは、
幼い時期にはおすすめできません。
動画は、視覚から入る刺激が強すぎるからです。
動画には動画の良さもありますが、”耳”を育てることには向いていませんので、
CDなどで音だけを聞かせてあげてください。

朝食や夕食時、遊んでいるときのBGMとしてかけたり、
幼稚園や保育園に通っているご家庭では、
送り迎えの車中で流すことをおすすめしています。
毎日の習慣になりますし、「今日も忘れた・・・」ということがなくなりますよ!
音声教材

最近では、小さいお子さんが歌を歌っている動画も多く見られますよね。
「よく覚えられるな~」と感心しますが、
当然のことながら、小さい子たちはまだ歌詞が読めないので、
自然と耳から記憶していることになるのだと思うと、二度驚きます。
大人は歌詞を見ながら何度も歌って覚えますが、
子供はそれだけ耳から記憶する能力が高いのです。

子供は歌が好きな場合が多いので、自然と楽しめると思いますが、
覚えることを目的にして、曲数を増やすために取り組むのでは楽しめません。
楽しみながら、自然に歌える曲が増えていくのを目標にしましょう!

 

リトミック

4.リトミックで身体も一緒に動かして楽しもう!

特に小さなお子さまにおすすめなのが「リトミック」です。
音を身体で表現する「リトミック」も、子供にとっては楽しい遊びになりますね。

「リトミック」は、音を聞いて、イメージし、表現すること。
音楽を通して、自己表現する楽しさを味わったり、
音楽的センスを培うことを目指していますが、とにかく楽しくやることが基本です。

あまり難しく考えることはありません。
手遊びのうたや、体を動かして遊ぶ歌から始めると、
おうちの方もスムーズに入れるかもしれません。

音楽に合わせて、手を叩いたり、身体を動かしたり、
自由に音楽を楽しみましょう!
小さい子は音楽に合わせてダンスするのが上手な子が多いので、
できれば、お母さんも一緒になって身体を動かし、楽しさを共有してください!

楽器を使って遊ぶのも、リトミックを始めるのも、基本は子供の興味です。
あくまでも子供の様子に合わせて、無理をさせないことが大切です。
「やらせなきゃ!」という思いが強すぎると、
「音楽、きらい!」になってしまうかもしれませんから。

 

音クイズ

5.音クイズで楽しくゲームをしよう!

CDのかけ流しから少しステップアップして、
音を使ったゲームにもチャレンジしてみましょう!

★1音1ポーズ!身体を使って覚えよう

「ドレミ」の音と、その名前を知ることからスタート!
「『ド』はしゃがむよ、『レ』はバンザイ、『ミ』はジャンプだよ」など、
耳だけでなく、身体を使って音と動きを連動させ、
楽しく音が身体に染み込むようにしましょう。

はじめは「ド」と「レ」の2音から、だんだん音を増やしていきましょう!

★和音クイズ!

音楽に慣れ親しんで、耳で聞いた歌を歌えるようになってきたら、
ピアノを使って和音クイズに挑戦しましょう。

3つの音を同時に響かせる三和音を弾いて、3つの音が言えるかクイズをします。
「ドミソ」「ファラド」「ソシレ」の長三和音、
「レファラ」「ミソシ」「ラドミ」の短三和音の基礎6つの和音を使って、
クイズを出してみるといいでしょう。

最初のうちは、上手くできなくても、間違えても、大丈夫!
間違っていても、「違うよ」などとは言わずに、
「今のは〇〇〇だよ!」と正解を教えてあげましょう。
いざやってみると、大人でもけっこう難しいものです。
お子さまと一緒に楽しみながら取り組んであげてください。

 

暗唱教材

6.暗唱で一石二鳥!よい”耳”と”心”を育てよう

歌を聞いて歌えるようになったら、
暗唱にチャレンジしてみましょう。

良質な”耳”を育てる目的は、
耳から聞いて覚える記憶力を高めることです。
ひと目見たものを覚える能力があるように、
耳で聞いたものをすぐに覚える記憶力もあります。
小さいうちは、この記憶力は高いのですが、
トレーニングしなければ、だんだん衰えていってしまいます。

そこで、おすすめしたいのが「暗唱」です!

暗唱は、題材となる音源を何度も聞いて耳で覚えて、ソラで言えるようにするものです。
CDがあるものを使っていただいてもよいですし、
なければ、おうちの方が何度も読んで聞かせてあげてもよいです。

小さいうちは、本当に記憶力がよく、何でもすぐに覚えてしまいます。
さらに、子供は、”音”を聞いて「まねる」という行為がとても上手です。
もちろん、この時期の子供は、”言語”としてその内容を理解しているわけではありません。
音をまねることが楽しいのです。
「すごいね、できるじゃない!」とほめられれば、もっと楽しくなり、うれしいのです。

暗唱あそびで選ぶ題材は、論語、漢詩、ことわざ、格言・・・などから、
長く歴史の中でよいとされてきたもの、多くの人に影響を与えたもの、
”生きる”ことにイメージのつながるようなものを選択するのがいいでしょう。

その他、有名な作家の物語や詩集、俳句や百人一首など、
教材になりそうなものはたくさんあります。

難易度は、子供にとっては実はあまり関係ありません。
「この文章はまだ難しいのではないか・・・」と考える必要はないのです。
意味は理解していなくいてよいので、
耳から聞いて音で覚えさせることを目的にしましょう。

もし、論語や漢詩、知らない物語などを暗唱させようとしたとき、
お子さまが、とっつきにくそうな様子であれば、
お子さまが好きな絵本の暗唱から始めてもかまいません。

暗唱は、耳からの記憶力を高めるトレーニングになるのはもちろんですが、
論語や格言などを題材にすれば、
その内容を覚えることによって、文化的素養を高め、お子さまの心を育むことにもつながります。
まさに、一石二鳥の取り組みなのです!

 

ピアノレッスン

7.音楽系の習い事はいつ始めるのがベスト?

ピアノは、今もお子さまの習い事の中で人気がありますよね。
バイオリンやドラム、ギターなど、お子さまに何か楽器をさせたいと
思っていらっしゃる保護者の方は多いかもしれません。

楽器系の習い事は、何歳頃に始めるのがベストなのでしょうか?

七田式では、3歳以降に始めるのがよいと考えます。
2歳までは、まだ脳の発達がインプットの段階です。
楽器は、自分で演奏する=アウトプットするということが中心となりますから、
ちょうどアウトプットできるようになる時期が3歳頃なのです。

楽器を習わせたいと考えるなら、この時期がスタートラインです。

実際に習わせる前に、2歳頃から楽器に親しむ環境をつくってあげれば、
よりスムーズにスタートすることができるでしょう。

いかがでしたか?
いろいろとご紹介しましたが、良い”耳”を育てるために必要なのは、
何と言ってもCDのかけ流しです!
最近では、いろいろな題材のものがありますので、
CDのかけ流しをするだけでも、かなり多くの知識が得られます。
今は内容を理解できなくても、いずれわかるときが来るので大丈夫!
今はただCDをかけ流すだけでいいんです!
早速、お子さまと一緒に楽しみながら取り組んでみてくださいね。