いつもの「ごっこ遊び」がレベルアップ!今すぐ実践できる簡単な工夫とは?

こんにちは、しちだ・教育研究所です。今回のテーマは、「ごっこ遊び」です。
子供たちの想像力は、大人が驚くほど豊かで、何かになりきって遊んでいるとき、
「この子の頭の中は今、どうなっているんだろう?」と、ちょっと覗いてみたくなりますよね。
きっと、アニメや映画のような世界の中にすっかり入り込んでいるのでしょう。
「ごっこ遊び」は、子供たちにとっては日常生活と同じくらい
なじみ深いものなので、何が正解ということはありません。
今回は、いつもの「ごっこ遊び」に、ほんの少しだけエッセンスを加えて、
レベルアップしてみましょう。

目次
1.「ごっこ遊び」って、どんな効果があるの?
2.五感を刺激する言葉がけをしましょう!
3.お父さんとの遊びはダイナミックさも取り入れて!
4.感想をインタビューしてみよう!
5.高価なおもちゃは必要なし!見立て遊びをしよう

ごっこ遊びヒーロー

1.「ごっこ遊び」って、どんな効果があるの?

ままごとや、お買い物ごっこ、ヒーローごっこ・・・
子供たちはいつの間にか自然とやるようになっていて、
こういう遊びは当たり前のことだと思っていませんか?

でも、ごっこ遊びって、実はとっても脳にいいんです!

まずは、何と言っても想像力が育ちます。

ままごとでは、自分がお母さんになりきったり、
店員さんや、悪者をやっつけるヒーロー、アニメのキャラクターになりきったり、
子供たちの頭の中では、そのシーンの世界観で溢れていることでしょう。

大人はそれを正確には知ることは出来ませんが、
どこまでも膨らむ想像力は、
教えようと思ってもなかなか教えられるものではありません。
この時期の自由な想像力は、ぜひ伸ばしてあげたいものです。

では、発想力はどうでしょうか?

想像力と似ていますが、少し違います。
簡単に言うと、「どうやったらいいかな?」と自分で考えることなのですが、
子供たちを見ていると、「それをそんな風に使うの?」「よく思いついたね!」
なんていう場面に出合うことはありませんか?

自分の身の回りにある限られたものの中から、
「これはきっと〇〇に使える!」と、自分で考えて、
おもちゃに見立てて遊ぶことも、子供たちはとても上手ですよね。

後から詳しくお話ししますが、最近は多くのおもちゃが売られています。

高価なものもあり、上を見るとキリがありません。
「金額的にも、置くスペース的にも、そんなにおもちゃを買ってあげられない・・・」
と思っている方もいらっしゃると思いますが、そんな心配は必要ありません!

子供たちには立派な想像力と発想力があるからです。
限られたものの中で遊ぶことも、とても大事なことです。

おままごと子供

他にも、ごっこ遊びは記憶力手先指先のトレーニングにもなっています!

例えば、アニメのキャラクターのセリフを覚えたり、
よく行くスーパーの店員さんの作業や、おうちの人とのやりとりを覚えていたり、なんていうことはありませんか?。

小さい子供でも、お買い物ごっこをするとき、
「ポイントカードはお持ちですか?」
「PayPayでお願いします」なんて言いながら、
スマホを出して見せたりするので、驚きます!
子供たちはいつでもよく観察していますし、記憶力も抜群です。

ヒーローごっこのために剣や武器を作ったり、
電車ごっこのために線路をつなげたり、
お人形のお世話のために、小さな服を着せてあげたり、
そういった一つひとつの何気ない動作も、
子供たちにとっては、立派な手先・指先のトレーニングになっています。

このように考えてみると、あまり知育のイメージはないかもしれませんが、
「ごっこ遊び」も知育に良い遊びに思えますよね!
「ごっこ遊び」に何が正解で何が不正解ということはないのです。
子供たちが自由に楽しく遊べるのが一番です。
まずはそれを大前提にしてくださいね!

 

おままごと男の子

2.五感を刺激する言葉がけをしましょう!

「ごっこ遊び」を簡単にレベルアップさせられる第一の方法は、
五感を刺激する言葉がけ」をすること!

高価なおもちゃも、新しい教材も必要ありません。
「言葉をかけてあげること」が大切です。五感とは、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」の5つの感覚のことを指します。

「視覚」・・・色や形、大きさなど目で見えるもの。
「聴覚」・・・周りの音や話し声など耳で聞こえるもの。
「嗅覚」・・・花のにおいや料理のにおいなど、鼻で感じるもの。
「触覚」・・・硬い・やわらかい、ざらざら、ふわふわなど、手や皮膚で感じるもの。
「味覚」・・・甘い、酸っぱい、熱いなど、舌で感じるもの。

ごっこ遊びの中で、この5つの感覚がイメージできるような言葉がけをしてあげましょう。
ままごとをするときは、絶好のチャンスです。
たとえば、カレーを作るとしましょう。

「にんじんは何色?」
「じゃがいもはこのままだと硬いね。」
「野菜を切ってみよう!トントントン・・・」
「次はお鍋で炒めるよ。ジュージュージュー・・・」
「ん~、カレーのいいにおいがして来たね。」
「熱いからフーフーして食べよう!」
「野菜が甘くて美味しいね。」

たったこの数行のセリフを見ているだけでも、カレーを作っている光景が
目に浮かんで来ませんか?

五感を刺激する言葉がけをすると、その場面がよりリアルに伝わります。
このリアルさを大事にしていただきたいのです。
子供たちは想像力が豊かなので、頭の中ではイメージできているかもしれませんが、
おうちの方が、それを言葉にしてあげると、
よりリアルにイメージできるようになります。
お医者さんごっこ

電車ごっこであれば、
駅の音、電車のドアが閉まる音や線路の音、電車の揺れ、窓から見える景色など。

生き物のまねっこだけでも、
身体の大きさや鳴き声、触った感じ、周りのにおい、ごはんの味など。

お医者さんごっこであれば、
看護師さんのセリフの真似や、どこがどんな風に痛いのかの説明、薬の味など。

いつもより、少し詳しく言葉がけをすることを意識すると、
たったそれだけで、いつものごっこ遊びから数段レベルアップします!

質問することと同時に、本当にそうであるかのようにリアクションするのも大事です。
熱々のものは本当に熱いように持ったり、食べたり、
動物の動きや鳴き声も、ものまね芸人さんのようにリアルに!
大人にとっては大げさなように感じますが、
その世界観にどっぷり浸っている子供たちにとっては、
それくらいオーバーなリアクションの方が喜びます。
おうちの方も、子供たちと一緒になって、どっぷり浸ってみてください!

 

ごっこ遊びお父さん

3.お父さんとの遊びはダイナミックさも取り入れて!

特に、男兄弟の中で育ってきたお父さんの中には、
「女の子とどんな風に遊んだらいいのかわからない」と、
ままごとや人形あそびでどんな風にしたらいいかわからなくて困ると
思われる方も少なくないようです。

お父さんには、お父さんの接し方の良さがありますから、
そこはお母さんと同じようにと意識しなくてもいいのです。

ヒーローごっこであれば、思い切り身体を使って遊ぶのも良いですし、
ままごとでも豪快な料理をするのもいいでしょう。
車やバイク、電車などの乗り物や、
ゴルフや釣りなど、お父さんの趣味でごっこ遊びをするのも、
子供たちにとっては新鮮で楽しいものです。

また、お仕事ごっこも、普段とは違う経験ができますね。
お父さんが普段どんなお仕事をしているのか、
わかりやすい職業であれば、お子さまと一緒にやってみたり、
難しい職業であれば、写真を見ながらやって見せてあげることもできます。

「お父さんだから、こう」、「お母さんだから、こう」ということはありませんが、
もし、ごっこ遊びに苦手意識を感じられるのであれば、
身体を使ってダイナミックな遊びをしたり、
普段しているようなお仕事や趣味なども、遊びに取り入れてみてあげてください。

 

親子あそび

4.感想をインタビューしてみよう!

「ごっこ遊び」をレベルアップさせる二つ目の方法は「アウトプットすること」です!

アウトプットは、簡単に言うと、
頭の中で考えていることを外に出して表現することなのですが、
子供のうちはあまり難しく考える必要はありません。
インタビュアーになって、いろいろと質問してあげることから始めましょう。

たとえば、先程説明した五感を取り入れると、聞く方も簡単です。

「これは何色?」
「お人形さんはなんて言ってるの?」
「どんなにおいがする?」
「触ったらどんな感じ?」
「どんな味がする?」などです。

漠然とした質問に答えるのがまだ難しい年代のお子さまの場合は、
「熱いね」とか「トゲトゲしていて痛いね」など、
おうちの方が言葉にしてあげるだけでもいいのです。

おしゃべりが上手にできるようになったら、
いろいろな質問に答えてもらったり、感想を聞いたり、
今日遊んだことを他の家族に話して聞かせるようにしてあげてください。

ここで大切なことは、
頭の中で考えていることやイメージしていることを、言葉にして表現することです。

親子キャッチボール

なぜ、アウトプットを大切にしているのか・・・。

それは、幼少期に育まれた想像力やイメージ力は、
大きくなるとより実践的なことにつなげることができるからです。

近年では、スポーツ選手が瞑想やイメージトレーニング、メンタルトレーニングなどを
取り入れることは一般的によく知られていますよね。

その基礎となるイメージ力は、こうした幼児期の遊びの中で身につけられます。
幼児のうちの方が、自然と自由にイメージができますし、
まだ大人のようにいろいろな知識があるわけではないので、
発想が何かにとらわれることもありません。

ただ、頭の中でどんなに素晴らしい考えやアイデアを持っていても、
それを何かの形で表現できなければ、人に伝えることができません。
アウトプットすることはとても大切です。それを早いうちから練習しておけば、必ず将来に活きてきます。

単なる「ごっこ遊び」から飛躍した話に思えますが、
こうした基礎が、幼児期の遊びの中で培われていくのです。
それを知っていれば、ただの遊びで終わってしまうのはもったいない気がしませんか?

ほんの少しの工夫で、レベルアップした「ごっこ遊び」になると、
それだけ育つ力も大きくなります。

 

親子おままごと

5.高価なおもちゃは必要なし!見立て遊びをしよう

先程も少し触れましたが、最近は上を見ればキリがないくらい、
たくさんのおもちゃがありますよね。
大きなキッチンセットや、リアルな電車の模型、
着せ替え人形のオプションもさまざまです。

「よりリアルなごっこ遊びをした方がよいのであれば、
こうした大がかりなセットを用意したり、
よりリアルなおもちゃを使って遊んだ方がよいのでは?」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、そういったおもちゃを使うメリットもありますが、
決してなくてはならないものではありません。

最初にお話ししたように、
子供たちには豊かな想像力と発想力があります。
1~10まで全てを用意しなくても、
子供たちの想像力で十分補うことができるのです。

むしろ発想力を育てるという面で言えば、
何もかも揃っているのは、かえってマイナスとも考えられます。

子供たち自身が、自分の頭と手に入るものだけを使って
「どうしたいいか?」と試行錯誤することが、とても重要なことなのです。

なるべくシンプルなおもちゃを使ったり、
今おうちの中にある他のものを代用したりして、
見立て遊びをしてみましょう。

そうすると、より子供たちの想像力が高まりますし、
五感を刺激する言葉がけも活きてきます。
まるで目の前にあるものが本物であるかのように表現することが、
イメージ力のアップにつながります。

最終的には、何もなくてもイメージできれば、言うことなし!です!

いかがでしたか?
普段から当たり前のようにやっている「ごっこ遊び」も、
少しエッセンスを加えると、立派な知育トレーニングになります。
特に、「五感を刺激する言葉がけ」と「アウトプットすること」がポイントです。
この2つは、どんなに高価なおもちゃを与えるよりも効果的ですので、ぜひお試しください!
ただ、あまりにこだわりすぎて、
せっかくの子供たちの楽しい時間を邪魔してはいけませんから、
あくまで今の遊びにプラスする程度にしてあげてくださいね!