突然始まる偏食!?1歳児からの「好き嫌い」を克服する秘訣!
こんにちは!しちだ・教育研究所です。
子供を健やかに育てるために、「好き嫌いせずに、何でも食べて欲しい」というのが、親の願いだと思います。
しかし、1歳を過ぎると、自我の芽生えとともに食事の好みがはっきりしてきたり、食が細かったり…と、食事についての悩みがいろいろと出てくるものです。
「最近、好き嫌いが出てきて、好きなものしか食べないんですよね。野菜を食べなくて…」などと、先輩ママなどに相談しても、「成長したら、そのうち食べるようになるよ!」という返事をよく聞きます。
しかし、栄養面や成長のことを考えると、「今が大事なのに」と思われる方も多いことでしょう。
まず、食事を始めたばかりの子供は、初めて出合う食べ物がほとんどです。私たち大人も、初めての食材を食べるときには、匂いを嗅いでみたり、一口だけ食べる…など、様子をみるのではないでしょうか。子供は、食事の中で初めての食材に出合っている最中ですから、スピードが落ちたり、食べなかったりする姿は当然ともいえます。
そのような状況の中でも、家族で楽しく食卓を囲めるように、対策を考えていきましょう。
1、親子で楽しく食べるために!心掛けたいポイント8選!
2、偏食が激減!3つの工夫で子供の好き嫌いをなくそう!
3、こんなときはどうしたらいい?子供の食事のよくある”困った”を解決!
4、まとめ
1、親子で楽しく食べるために!心掛けたいポイント8選!
・歯の状態を確認しよう
まだ歯が生えそろっていないこの時期は、「食べたくない」のではなく、「食べられない」ものもあります。歯や口の中が未発達のため、よく噛めなくて、吐き出したり、飲み込めなかったりすることもあります。
味が苦手ではないことも多いので、まずは、子供の歯の生え方を確認しましょう。
歯の生え方を見て、食材の硬さや大きさを調整するとよいです。
・親は応援隊
子供の食が進まなかったり、好きなものばかり食べたりする様子をみると、親も「早く食べなさい」「これも食べなさい」…などと、命令口調になったり、叱ったりしがちです。
生まれてから、わずか1~2年。食事もスタートしたばかりのこの時期は、とにかく「食べることの楽しさ」を教えることが大切です。
「もう少しスピードアップしてほしいな」「座って食べてくれるとうれしいな」などと言い換えて、なるべく楽しい雰囲気で食卓を囲むようにしましょう。
少しでも食べることができたら、ほめてくれたり、大好きなお母さんに応援してもらえることで、子供もポジティブに食事の時間を過ごすことができます。
・食べることに集中できる環境を作る
「遊び食べ」などをするときには、まず、食卓の周りにはおもちゃなど子供の興味を引くものは置かないようにするなど、環境作りを心がけてください。
テレビなど、集中を妨げるものはつけず、机の上に、食事とカトラリー(箸、スプーン、フォーク)だけがある環境が理想です。
・食事の時間を決める
食事に集中してくれないときには、時間がかかりがちですが、食事の時間を30~40分くらいと決めて、時間が来たら、「ごちそうさま」と言って、食事を終わりにしましょう。時間を決めることで、だんだんと集中して食事ができるようになり、だらだら食べることも少なくなります。
はじめは、片づけられることでかんしゃくを起こす様子が見られることもあるかもしれませんが、動じず、一貫した態度で接することが大切です。
・規則正しい生活リズムを大切にして、空腹状態を作る
生活リズムを整えて、決まった時間に食事を摂ることが大切です。
日中もしっかり体を動かして、食事の時間に空腹感を感じさせておくことで、意欲的に食べることができます。
外で遊ぶ、散歩をする、体を動かすなどして、「お腹が減った」という感覚で食事をとるようにしましょう。
空腹状態で食事を食べて、満足状態になることで、食事で充実感を持つことができます。
・家族一緒に食べる「共食」をする
できるだけ家族一緒に食べる習慣を持つことで、食事の楽しさを子供に教えることができます。子供に食べさせたり、手がかかったりするために、別々に食べている場合は、なるべく一緒に食べる「共食」を大切にするとよいです。親がおいしそうに食べている姿をたくさん見せましょう。子供は、家族の食べている姿を見ることで、箸やスプーンの使い方や食べ方も学んでいきます。
・食材について、話をする
どの食材もいろいろな人が丹精込めて作っているということや、食材を無駄にするのは良くないことなども教えてあげましょう。
旬の食材について話をしたり、どのように栽培されるか、絵本や図鑑で見せることもおすすめです。
このような機会をたくさん与えることで、少しずつ色々なものを食べることができるようになってきます。
余裕があれば、プランターなどで、野菜などを育てることもおすすめです。ミニトマトやネギなどは、比較的簡単に育てることができます。食物が育つ過程を見ながら、収穫も楽しむことで、「食べよう」という意欲も湧くものです。
・盛り付けを工夫をする
大皿に盛りつけるのではなく、子供専用のお皿を用意してあげて、食べ切れる量をバランスよく盛りつけしてしてみたり、時にはお弁当箱に入れてみたりするなどして、食事を楽しく食べられる工夫をするのもおすすめです。
子供の好きなキャラクターのお皿に盛り付けてあげて、「全部食べたら、○○が出てくるよ!」などと言葉をかけてあげるとよいでしょう。
☆お菓子=捕食と捉える
「お菓子」と「おやつ」は、本来、違うものです。
「お菓子」は、嗜好品であり、栄養を満たすものではありません。一方の「おやつ」は、食事が十分できているのに、それでも食欲が満たされないときに不足する栄養を補う補食です。
お菓子は、一度味を覚えてしまうと、全く与えずに過ごすということが難しいですが、決まった時間だけに与えるようにして、極力摂りすぎないようにするということを考えましょう。
市販のお菓子は、糖分を多く含んでいます。栄養になる、おにぎりや果物、芋などのおやつを、決まった時間に適量を食べさせるようにしましょう。
2、偏食が激減!3つの工夫で子供の好き嫌いをなくそう!
・調理方法を工夫する
子供に好き嫌いができるようになる理由はさまざまです。
その理由を見つけて、調理方法を工夫していきましょう。
①見た目が苦手な場合
見た目の色や形が苦手な場合、小さく刻んだり、潰すなどして、子供が気づかないように、何かに混ぜるとよいでしょう。
②食感が苦手な場合
野菜などが苦手なときに、みじん切りをすることがありますが、口の中で、つぶつぶした食感が残り、苦手に感じる子供もいます。そういう場合は、蒸したり、煮たりして、ペースト状にするとよいです。
トマトや豆などは、皮が口に残り、嫌がる子供がいます。皮をむいた状態で食卓に出すとよいです。
パサパサした魚やササミなどの食感が苦手な子供もいます。その場合は、片栗粉で少しとろみをつけてあげると、喉越しも良くなり、食べやすくなります。
サラダなどの生野菜の食感を嫌がる場合も多いです。煮たり、焼いたりして、火を通す方が食べやすくなるので、調理法を変えるのもおすすめです。
③食べにくくて苦手な場合
お肉は嚙み切れなくて苦手な場合もあります。ハンバーグやそぼろのようなミンチ状にしたものを与えたり、スープに小さく切って混ぜるなどすると食べやすくなります。
・「まごわやさしい食」を実践する
食生活では、どれだけ食べることができたか、ということよりも、栄養のバランスを考えることの方が大事です。バランスよく栄養を補うためにも、「まごわやさしい食」を取り入れましょう。
また、正しい食生活は、幼児期の時にほぼ決まります。素材の味やだしの味を乳幼児期から教えて、薄味にすることも大切です。
そして、食事はバランスよく摂ることが大切ですが、一食一食を考えるのではなく、一日全体でバランスのとれた食事ができるようにしていくとよいです。
・「料理」を一緒にして、お手伝いをしてもらう
子供と一緒に料理をする時間を持つこともおすすめです。
食に関する興味を深めるとともに、それぞれの食材に感謝しながら作るということを教えてあげるとよいです。
いきなり包丁を持たせてお手伝いをさせることはありません。
台所=危険な場所とするのではなく、まずは、料理をしている隣に椅子を置いて、その過程を見せるだけでもよいです。
子供の様子を見て、レタスなどをちぎらせたり、野菜を洗ってもらうなどの簡単なお手伝いをしてもらうとよいでしょう。
お皿への盛り付けや箸やお皿を並べるお手伝いもおすすめです。
そして、台所仕事をするときには、最低限の注意や約束をして、ケガややけどなどの事故がないよう十分注意しましょう。
自分が関わって作った料理だと、食べてくれることもあるものです。
3.こんなときはどうしたらいい?子供の食事のよくある”困った”を解決!
Q、好きなものばかり食べます。バランスよく食べて欲しいけど、どうしたらいい?
A.ご飯が好きでご飯ばかり食べたり、特定のおかずばかり食べたりすることがあります。自分の食べたいものばかり食べるので、栄養が偏るのではと心配になることもあるかもしれませんが、一時のブームであることが多いです。
「食べないもの」を無理やり食べさせるよりも、「好きなもの」をある程度食べさせてから、最後に「これも食べてね」とご家族が食べさせたいものを一口でも食べさせるようにしましょう。
「好きなもの」を大切にしながら、苦手なものや初めての食べ物に少しずつ慣れさせる方が、子供も食を楽しむことができます。
Q.食事中に立ち上がったり、遊びだしたりして、食事に集中できません。
A.食事中に立ち上がったり、遊び出したりするのも、この時期の子供にはよく見られます。
食べることより学ぶことに関心が強い時期ですから、少々の遊び食べは、大目に見るようにしましょう。
座って食べることの大切さを教えることも大切ですが、注意をすることが多いと、余計に立ち上がったりして、親の反応を楽しむような様子が見られることもあります。
少しでも座って、落ち着いて食べることができたときには、オーバーなくらいにほめるようにしましょう。
このようにしながら、「してほしくないことをするときの親の顔」と「上手に食べられたときの親の表情」から、しても良いことといけないことを学んでいくものです。
また、満腹になって、遊びだしているようであれば、その場で、食事を終わりにするとよいです。
Q.食が細くて、あまり食べず、心配です。
A.乳幼児期は、内臓が未発達で、食べる量も子供によって、それぞれ違います。間食を控え、空腹感を感じる状態で食事の時間が迎えられるようにしましょう。
食べられないのに無理に「食べなさい」と無理強いしてもよくありませんから、手づかみででも気軽に食べられるように、小さいサイズのおにぎりを作ってみたりして、楽しく食べられるように工夫をしましょう。
また、水分を与えすぎると、食事が進まなくなることもあるので、食前一時間くらいからは控えめにしましょう。
食が細くても、顔色が良く元気に過ごしていれば、問題はありません。体重がどんどん減っていくことがなければ、あまり心配なさらずに「そういう時期なのだ」と思って見守りましょう。
Q.料理が苦手な場合は、どうしたらいい?
A.料理が苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、子供の好みや様子に合わせて、少しずつレパートリーを増やしていけば大丈夫です。
手の込んだものでなくても、素材を生かしたシンプルなものを子供は好んで食べてくれたりします。
濃い味付けは、子供の消化器官などに大きな負担になり、将来の味覚形成にも良い影響を与えません。素材本来の味を教えていくためにも、できるだけ薄味で素材の味を生かして、単品で与えることをポイントにしていくとよいです。ミニトマトやきゅうり、ニンジンなどのスティック野菜なども立派な一品になります。
Q.食べ物を投げる
A.食べ物を粗末にするのはよくありません。根気よく、食べ物を投げてはいけないことを教えましょう。
ご家族が少しでも落ち着いて対応できるように、食事用スタイをつけたり、テーブルの下にシートを敷いておくなどして、片づけがスムーズにできるような工夫を取り入れるとよいです。
Q.栄養不足を補うために、サプリメントを取り入れてもいい?
A.本来なら、毎日の食べ物から栄養を取り入れることがよいのは言うまでもありませんが、現代では、同じ野菜・穀類でも、昔と同じ栄養価ではないといった現状があります。これは、大気・水質・土壌汚染など、環境が昔と今では異なっているからです。そのためにも、サプリメントなどの必要性が高まってきています。
いろいろなサプリメントが出回っている中、子供用に作られた天然素材の体に負担の少ないものを選んで摂っていただくとよいです。
4、まとめ
お子さまの食事に対する悩みは、
「栄養が摂れているか心配」
「好き嫌いをなくしたい」
「将来偏食にならないか」
など、尽きないものですよね。
不安や焦りが出てしまって、食事が辛い時間になってしまってはいませんか?
この時期に何よりも大切なのは「食事=楽しい」と教えることです。
口にする物だけでなく、環境や日常生活の過ごし方にも、ちょっとした工夫を試してみてください。
まずはできることから、気楽に始めてみてくださいね。
偏食は、成長するに従い、少しずつ減っていくものです。
長い目で見て、少しずつ食べられる食材を増やしていき、「おいしい」を共有しながら、お子さまとの食事を楽しんでいきましょう。
食事を通し、ご家族みんなで、楽しい時間を過ごせるとよいですね。