ただの積み木遊びじゃない!子供の「空間認識力」が育つ遊び方とは?

こんにちは、しちだ・教育研究所です。

今回のテーマは、「空間認識力」です。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、空間認識力が身についていると、立体図形やグラフを使った問題などを解く時などに役立ちます。
もしかしたら、学生のころ、苦手意識があった方もいらっしゃるかもしれません。
スマホやタブレット、テレビ、ゲームなどを見る機会が多い現代の子供たちは、この能力が自然に身につくチャンスが少なくなっています。
大きくなってから、空間認識力だけを教えるのは難しいですが、ポイントを知っていれば、遊びながら習得していくことができます。
今回は、幼少期から遊びの中で自然に空間認識力が育つように、段階を追ってさまざまな取り組みをご紹介します。

目次
1.空間認識能力とは
2.空間認識能力の特徴
3.空間認識能力が高い子供の特徴
4.空間認識能力が低い子供の特徴
5.空間認識能力の発達過程
6.空間認識能力が低い子供の注意点
7.空間認識能力を鍛える5つの方法
8.七田式教育における取り組み方法
9.まとめ

立体図形の学習

1.空間認識能力とは

空間認識力とは、三次元空間における物体の位置や方向、形、大きさ、関係性などの情報を、
素早く正確に把握できる能力のことです。

たとえば、身近な立体図形に、サイコロ(立方体)がありますよね。
立方体の展開図がいくつかあるうち、組み立てた時にどれが正しいサイコロの形になるか、というような問題を目にしたことがあると思います。
そういった平面図を頭の中で立体図形に変換したり、表からは見えない部分をイメージしたりすることができる能力が空間認識力です。

空間認識力を育てる上で、最終的な目標は立体図形をイメージできることです。
そのゴールに到達するまでに、いくつか段階があります。
この能力は一朝一夕には身につきません。
いざ教えようと思っても、「どうやって説明したらいいの?」となってしまいます。

なるべく小さいうちから、空間認識力を育てる遊びをしておくことが大切です。
最初から難しいことをする必要はありません。
上下、左右、前後などの位置関係がわかるようになるところから始めて、遊びの中でわかるようになったことを上手に結びつけながら、少しずつ育てていきましょう。

ボールあそび

2.空間認識能力の特徴

大きくなれば、プリントや図形の問題を解いたりすることで、空間認識力が育っていることを確認する方法もありますが、小さいうちは、どうやって確認したらいいかわからないですよね。

空間認識力は、実は日常生活のさまざまな場面で使っています。
勉強以外でも、身体を動かすときにも、空間をイメージすることが大切なのです。

たとえば、キャッチボールをするとき、ボールが飛んでくるスピードや落ちてくる位置が正確にわかることで、手をどのタイミングで、どこに出すか、どれくらい前後に動けばいいのかを判断できるようになります。
まだボールとの距離感を正しく認識できていなければ、全然違うところで手を出してしまい、上手にキャッチできません。
ボール遊びも、練習することで上手にキャッチできるようになります。

このように、もののスピードや距離感を把握する能力はとても重要です。

単純なことですが、距離感がわからなければ、目の前にある物や、すれ違う人とぶつかってしまいます。
自転車や車のスピード感がわかっていれば、衝突を回避することもできます。

階段を上り下りするとき、
おもちゃを使って遊ぶとき、
スプーンやフォークを使って食事をするとき…

日常生活のあらゆる場面で、ものと自分との距離感が大事になります。

また、上下、左右、前後、遠近などがわかるようになれば、コミュニケーションも取りやすくなり、「上にあるものを取りたい」「後ろにあるよ」など、おうちの方が言っていることもわかるようになりますし、お子さま自身も自分の気持ちややってほしいことを伝えることができるようになります。

前回りあそび

3.空間認識能力が高い子供の特徴

空間認識能力が高い子供の特徴を、運動能力、遊び、学習の3つの場面で考えてみましょう。

◯運動能力
空間認識能力が高い子供の場合は、自分の身体を扱うことが上手にできるので、全体的に運動が得意になります。

前述したようにキャッチボールが上手にできたり、遊具を使った遊びも、自分なりに考えて遊ぶことができます。また、自分の身体の状態を把握することも本能的にできるので、器械体操など、アクロバティックな動きもできるようになります。

◯遊び
ブロック遊びや積み木遊びなど、立体的な創造物を作るのが上手です。
発想力も加わる部分もありますが、空中に積み木を置きたいなどの物理的に無理なことはせず、きちんと組み立てることができます。
また、イラストや写真などの2Dのものを見て、3Dに再現することができます。

粘土や工作などの製作遊びでは、表から見える部分だけでなく、立体的に作れたり、裏側まで意識して作れるようになります。
プラモデルのように何かを組み立てることも得意なので、お子さまが望むようであれば、ブロックの種類を増やしてあげたりと、複雑なものを扱えるようにしてあげましょう。
幼少期はまだ難しいですが、お絵描きの技術が上がるにつれて、遠近感を考えた絵が描けるようになります。

◯学習
プリントを始めたばかりのころは、上下や左右などの位置関係を問う問題が理解できます。
問題が徐々に難しくなれば、上から◯番目などの順序を問うものや、座標などの問題につまずくことなくスムーズに解けるようになります。

図形やグラフにも強い傾向にあるため、立体図形や展開図などの問題、積み木の数を数えるような問題が得意になります。
表から見えない部分も、頭の中で自由にイメージすることができます。

つみきあそび

4.空間認識能力が低い子供の特徴

ここでも同じく、運動能力、遊び、学習の面で考えてみましょう。
ただし大前提として、何かができるようになる時期には個人差がありますから、あまり早い時期に決めつけることはありません。
お子さまの様子を見て、どれかに苦戦されているようであれば、一緒に練習してあげましょう。
練習することでできるようになりますので、参考にして当てはまるところがあれば、ぜひ一緒に取り組んであげてください。

◯運動能力
空間認識能力が低いと、もののスピードや距離感、位置関係を把握するのが苦手です。
よく人にぶつかったり、転んだり、つまずいたりする、ボールを上手くキャッチすることができない、前転などの身体を使った体操が苦手だったりします。
身体をダイナミックに使った遊びをさせてあげましょう。

◯遊び
立体的な思考が苦手な傾向にあります。
ブロックと積み木では同じように思えますが、遊び方がちがいます。
ブロックは、凹凸やマグネットなどでくっつけることができますが、積み木は重ねるだけなので、ブロックだとできることが、積み木ではできません。
お子さまが積み木遊びをしているときに、横に並べてつなげるだけでなく、上に高く積めているかどうか、三角形の頂点に四角い積み木を乗せたり、空中に配置したりと、物理的に無理な組み合わせにしていないかどうかなどを確認してみましょう。

◯学習
プリントで上下、左右、前後、遠近などの位置関係を問う問題を解かせてみましょう。
ただ、できなくても心配はありません。
プリントだけで教えるのは難しいことなので、実物を使って教えたり、日常生活の中で、意識的に上下、左右など声をかけるようにしましょう。

プリントが本格的になれば、形や立体図形などの問題が増えます。
空間認識力が身についていないと、頭の中で2Dを3Dに変換して考えることが難しいです。
同じような形のものを使い、実際に手に取って、さまざまな方面から観察させてあげましょう。
展開図などの問題も、同じように作って組み立てさせてあげましょう。
平面上のものをいくら見てもイメージできないので、実物を使ってじっくり観察することで、そのうちに頭の中でもわかるようになります。

赤ちゃん積み木あそび

5.空間認識能力の発達過程

空間認識力は、そもそも視力の発達との関係が大きいものです。
視力の発達が伴わなければ、焦って取り組んでも、効果は得られません。
それぞれの年齢の発達段階を知り、その時期に合った取り組みをしましょう。

0歳~2歳
乳幼児

この年齢は、まだまだ視力が発達段階にあります。
まずは物を視る力を育ててあげましょう。
パペットや人形などを左右や上下にゆっくり動かして、それを追いかけさせて目線を動かすアイトレーニングをしましょう。

その際、「右」「左」「上」「下」などと言葉がけを一緒にしてあげましょう。
視力的な問題で考えれば、できることが少ないですが、上下、左右、高低、遠近などの言葉がけであれば、いつからでも始められます。
「上だよ」「左だよ」など、意識的に位置を表す言葉がけをして、なるべく早いうちからインプットを始めましょう。

身体を動かすことも大切です。
高い高いをしたり、階段を昇り降りさせたり、坂道を歩かせたりしてあげると、自然と自分の身体を自由にコントロールできるようになっていきます。

3歳~4歳
4歳女の子

3~4歳ごろになると、視力が少しずつ高まってきます。
この時期になると、両目を使って遠近感覚が身についていきます。
ただ、まだ発達段階にありますので、視力的には十分ではありません。

知識の面で言えば、すでにプリントを始めているお子さまもいらっしゃるでしょう。
ちえやかずなどのプリントでは、位置や順序を問う問題がよく出題されます。
上下、左右などの2択の問題であれば、一人でも理解できることが望ましいです。
順序の問題は、「上から2番目」「右から3番目」など複雑になります。
実際にミニチュアを並べて、一つひとつ数えさせながら取り組みましょう。
そうした繰り返しが、いずれ実物がなくても紙面上やイメージで考える力につながります。

運動面では、筋力も付き始めている時期です。
遊具などを使って遊んだり、トランポリンでジャンプをしたり、空中でも自分の身体をコントロールできるようにしましょう。

5歳~6歳
6歳外遊び

まだ完全ではありませんが、視力がかなり発達し、平面から立体の理解へと進んでいきます。
この時期になると、スピード感覚も身につくので、小さいボールでのキャッチボールなども上手にできるようになります。
空間に対する把握もできるようになります。

プリントでは、展開図や立体図形の問題や、複雑な点つなぎなどの問題がよく出題されます。
サイコロやお菓子の空き箱、ボール、ラップの芯など、身の回りの立体的なものを使って、さまざまな方向から見て観察したり、触ったり、切り開いてみたりしながら、実際に体験することで、その形の特徴をインプットしていきましょう。
工作に使うと楽しくできますのでおすすめです。
また、粘土などを使って、立体図形を再現してみるのもよいでしょう。
そうした体験によって、紙面上の2Dの図形が、頭の中では3Dの立体的な形へイメージできるようになっていきます。

幼児階段

6.空間認識能力が低い子供の注意点

プリントなどで空間認識を問う問題が苦手な場合は、実物などを使って練習することで克服できますので、あまり心配することはないでしょう。

心配なのは、運動面の発達です。
目が見えているのに、よく転ぶ、物にぶつかる、道具を扱うのが極端に下手など、距離感を掴むのが苦手なようであれば、少し注意が必要です。
成長には個人差がありますし、不注意だと思われる場合は特に気にしなくてもかまいませんが、「明らかにこの年齢ではできているはずなのに・・・」という場合は、空間認識を教えることをより意識してみましょう。

ロボットゲーム

7.空間認識能力を鍛える5つの方法

①言葉がけで

何度も繰り返しますが、「上下」「前後」「左右」「遠近」「高低」などの、位置関係を表す言葉は、いつからでも始められます。
「これ」「あっち」「そっち」など指示した方が楽なので、省略しがちですが、面倒でも、時間がかかっても、しっかり言葉がけをして教えることが大切です。

こうした基礎が身についていると、方向感覚にも強くなります。
例えば、現代では紙の地図を見ることはほとんどなく、カーナビやスマホのマップなどを見て移動することが多いと思います。
大人でも、自分が今どっちの方向に進んでいるのか、また、東西南北がどちらの方向なのかを把握するのが苦手な方が多くなっています。
こうした方向感覚も、基礎は幼少期に育ちます。

②おもちゃで

さまざまな形のおもちゃを見たり、触ったりすることで、自然とインプットにつながります。
テレビやタブレット、スマートフォンの画面では全てが2Dなので、そういった意味では、実物のおもちゃを使って遊ぶことは全て効果的と言えます。
特に、重ねたり、くっつけたり、自由に形が変えられるような遊びができるおもちゃは、空間認識力を育てるのにおすすめです。
最初はおうちの方が遊び方を見せて教えてあげましょう。

③製作あそびで

画用紙や折り紙から何かを作ったり、ダンボールを使って大きなものを作ったりすると、頭の中でイメージしていることを形にできるので、とてもよい取り組みになります。
大きなものになればなるほど、強度などの問題も発生するため、「できるはずなのに上手くできないな・・・。どうしたらいいかな?」などと実際に経験して試行錯誤をすることで学びになります。

また、説明書を見ながら組み立てるプラモデルのようなものもよいでしょう。
説明書は2Dなのに対して、実際に組み立てるものは3Dなので、平面から立体への変換の訓練になります。
最初は一人で説明書を読むのは難しいと思いますが、イラストを見ながら、ぜひチャレンジさせてあげましょう。
家具の組み立ての様子を見せたりするのも、興味を持つきっかけになるかもしれません。
子供デッサン

④デッサンで

お絵描きが好きなお子さまであれば、自由に描かせるだけでなく、何かをお手本にして、デッサンをすることも取り入れてみましょう。
最初は身の回りにあるものの中から単純な形のものを選んで、形をよく観察させて絵を描かせます。
技術的に立体的に描けなくても、よく観察して描こうとすることは、後のイメージ力にもつながるため、とても大切な取り組みとなります。

⑤運動で

空間認識力と自分の身体をしっかりコントロールできる能力は連動しています。
繰り返しになりますが、ジャンプしたり、前転したり、アスレチックのような遊具を使って遊ぶ経験をすることで、空間認識力は育ちます。
年齢によってできることは限られますが、積極的に身体を動かす時間を取りましょう。

親子絵本

8.七田式教育における取り組み方法

空間認識力を育てることと並行して、七田式教育では、イメージ力を育てることも大切にしています。

いくら知識として知っていても、頭の中でイメージできなければ、せっかくの能力をさまざまな場面で活用するところまで引き上げることができません。
また、お子さまにイメージすることを教えるのが、最も難しいとも言えます。
目に見えない部分を伝えたいとき、「ここがこうなって、こっちはこうなっている」といくら言葉で伝えても、イメージできなければ、それは全く伝わりません。
「どんな風に教えたらいい?」「何て言ったら伝わる?」と、おうちの方の方が困ってしまうと思います。

イメージ力も幼少期からの積み重ねです。
イメージトレーニングをするのが最も効果的ですが、いちばん身近で簡単に取り組めるものが、絵本の読み聞かせです。

「空間認識力を育てるために!」と意気込まなくても、絵本の読み聞かせであれば、おうちの方も楽な気持ちでできると思います。遊びの中で自然に能力が育つことが理想的です。
お子さまの能力はさまざまな場面で高めることができますので、多角的に取り組みましょう。

積み木を使った取り組み

積み木はブロックと違い、凹凸を組み合わせて接着することができません。
斜めになっているところに積み重ねることはできませんし、真っ直ぐバランスよく正確に積み上げなければ崩れてしまいます。当然のことながら、空中に浮かせることもできません。
何かを作るという意味では同じように思える積み木とブロックですが、空間認識力を高める点で言えば、特徴が大きく異なります。
積み木で繰り返し遊ぶことで、表から目には見えていない部分にも、土台となる積み木があることを自然と学んでいきます。
積み木遊びにもステップがありますので、お子さまのレベルに合ったところから始めて、ステップアップしてみてください。

STEP1 積み木を高く積み重ねる
絵本高積み

いちばんの基本は、積み木を高く積み重ねることです。
お手本を見せてあげたり、手を添えてあげたりしながら、積み重ねることを教えてあげましょう。
最初は適当に置いていたものが、だんだんきれいに置けるようになり、高さもどんどん高く積み上げられるようになります。
途中で倒れたり、崩したりすることも楽しみながら、繰り返し取り組みましょう。積み木の基本は、高く積み重ねることです。
最初はお手本を見せてあげたり、手を添えてあげたりして、真っ直ぐ高く積み重ねる練習をしましょう。
子供は何かを崩すのも好きなので、「バラバラ〜、崩れちゃったね!もう1回やってみよう!」
といったように、積み上げては崩し・・・を繰り返しながら、少しずつ高く積み重ねられるように練習しましょう。

STEP2 組み合わせて何かを作る

積み木を組み合わせて、家やお城、車を作ったりして遊びましょう。
積み木の良いところは、「積み木を使った取り組み」でもお伝えしましたが、ブロックと違って固定できない点です。

この経験が、表から目に見えない部分にも土台となる積み木があるということに気付くことにつながります。
自由に作ることで、お子さまの想像力も育ちます。次は、複数の積み木を使って、何かを作る遊びをします。
家やお城などの建物、車や電車などの乗り物、犬やゾウなどの動物、テーマはたくさんありますから、お子さまの想像力を高めることにも効果的です。
やり方がわからないようであれば、おうちの方がまずお手本を見せてあげましょう。
単なる遊びのようですが、これによって学ぶことはたくさんあります。
慣れてくるにつれて、作れるバリエーションも増えていきますから、ぜひ繰り返し楽しんでいただきたい取り組みです。

STEP3 お手本を見て真似させる
つみき

おうちの方がお手本を作って、お子さまに同じような形を作らせて遊びましょう。
3Dから3Dと真似させるところから始めます。
始めのうちは、3~4個くらいの積み木から始めて、少しずつ個数を増やし、形も複雑なものにレベルアップしていきます。
この段階を踏んでおくことで、2Dから3D、3Dから2Dへの変換に移行しやすくなります。
次のステップは、お手本を見て真似させることです。
最初は、おうちの方が3〜4個の積み木を重ねてお手本を作ります。
そのお手本を見ながら、お子さまに同じように形を作ってもらいます。
これは、3Dのものを見て再現するトレーニングです。
これにより、目に見えない部分にも積み木があることがわかるようになります。
少しずつ数を増やしながら、複雑な形も再現できるように練習しましょう。

STEP4 平面の図を見て真似させる

2Dから3Dに変換する練習をします。
積み木や立体パズルの中に、お手本カードのようなものがあれば、それを使いましょう。
そういったものが手元になければ、積み木プリントなどを利用するのもよいでしょう。
また、お手本となる形を写真に撮って、それを見ながら同じ形を作ることもできます。

お手本と同じ形に積んだ積み木を見せて、複数のカードの中から同じ形のものを選択させるような取り組みを追加すると、3Dから2Dへの変換にもなります。
どちらにも変換できるように練習しましょう。

この時期は、プリントの問題を解くための準備期間でもあります。
お手本の形を見て、積み木が何個使われているのかを数えてみて、実際に同じ形を組み立ててから、その数が合っているのか確認する取り組みもしてみましょう。
この繰り返しが、イメージ力につながります。

お手持ちの積み木に、お手本となるカードなどがセットになっていれば、それを使って同じ形を作らせましょう。
2Dから3Dへの変換の練習になります。
もしそのようなものがなければ、積み木プリントの形を真似させてもよいですし、おうちの方が作ったお手本を写真に撮って見せてもかまいません。
最初は少ない個数から始めて、徐々に複雑な形にしていきましょう。

実物の積み木でお手本を作って、複数のカードの中から同じものを選ばせると、3Dから2Dへの変換になります。
どちらからも瞬時に変換できるようになれば、STEP5へ進むのが楽になります。

またカードを見せる時間を短くすることで、難易度を上げることもできます。
お手本を見ながら作ることは簡単にできますが、記憶したものを再現することは難しいことです。
お手本のカードを数秒見て覚えてから、積み木を使って再現する遊びもしてみましょう。

STEP5 積み木の問題を解かせる

小学生低学年ごろまでは、積み木プリントがスムーズに解けることを最終ゴールとして目指しましょう。
STEP4までの取り組みで、2Dと3Dの変換が、どちらからもできるようになります。
その力が身についていれば、積み木プリントは苦労することなく解けるようになります。
もし、積み木プリントにつまずいている場合は、実物を使った遊びが十分に足りていませんので、
STEP3や4に戻ってしっかり遊ぶことから始めましょう。

紙面上のイラストを見て、頭の中で立体的にイメージすることは、教える側としても難しいことですし、お子さまが正確にイメージできているかどうかを確認することも困難です。
プリントで教えようと思っても簡単にはいかないので、必ず、実物を使いながら教えてあげましょう。

積み木は遊ぶだけでなく、プリントの問題としてもよく出題されます。
幼少期から育ててきた空間認識力ですから、ぜひ学習面にもつなげていきたいですよね。

インプットの時期がなければ、積み木の問題が苦手になる場合が多々あります。
そういった場合には、実際に積み木を使いながら問題を解くようにしましょう。
プリント上で教えるのは、お子さまにとってもおうちの方にとっても非常に難易度が高いので、レベルを下げても、確実に理解できるようにしていきましょう。

積み木の問題がスラスラ解けるようになれば、かなり空間認識力が身についています。
小学生低学年までは、ここをゴールとして取り組んでいきましょう。

9.まとめ

いかがでしたか?
テレビやタブレット、スマートフォンなどでCGなどが盛んに使用される現代では、幼少期から映像ばかり見ていると空間認識力が育ちにくいという反面、将来的にはその能力が求められる場面も増えてきます。
小さいころに特別なことをしなければならないということではありません。視力や身体の発達と密接に関係しているので、発達の段階をよく知っていれば、その年齢で効果的な取り組みをすることができます。
空間認識力は知識面だけはなく、生活面、運動面においても欠かせない能力です。
今回ご紹介した内容を参考に、おうちでできることから始めて、遊びの中で育てていきましょう。