【目からウロコ!】七田式教育の代表 七田厚が語る幼児教育「その時、父は…」第18回 七田 厚
トランプのやり方を教えて一緒に遊ぶ
私には3人の子供がいますが、娘と下の息子が保育園児だったころ、お迎えに行った後、父がいる時には、たまに父のオフィスに連れて行き、「ちょっとだけ、子供たちの相手をしていてくれないかな?」と頼むことがありました。
父は、自分のオフィスで仕事をする時は、朝は早いのですが、夜遅くまで仕事をしない主義で、だいたい6時には仕事を切り上げていたのです。
そんな機会でもなければ、うちの子供達がおじいちゃんと一緒に過ごすことはなかなかなかったものですから、たまには一緒に遊んでやってほしいという思いもあり、また、父が、祖父として孫たちとどう関わるのかという興味もあったのですが、さて…
その時、父はどうしたでしょう?
トランプのやり方を教えて一緒に遊ぶ
私が子供の時もそうでしたが、孫たちとトランプを始めることが多かったです。父が、こういうふうにするんだよと、やり方の説明をし、それから、子供たちは楽しそうに遊んでいました。
私にも、父はよく、トランプの一人遊びのやり方を教えてくれました。一緒に遊ばないというわけではないのですが、そればかりだとキリがないので、一人で遊べる遊び方を教えたのでしょう。
父が亡くなる2年前に、『魂の教育』という、父の半生を描いたドキュメンタリー映画を作りましたが、その中にも、孫たちとトランプで遊んでいるシーンが出てきます。
講演などで不在にしがちな父だったので、それほど回数は頻繁ではありませんでしたが、それは、子供たちが幼いころには、よくある風景だったのです。
そう言えば、上の息子が保育園児だった時にも、トランプで遊んでくれたことがありました。その時は、私も一緒になって、男ばかりの親子三代で遊んでいたのですが・・・。
子供だからと低く見ない
最初は、おじいちゃんに言われるルールで、おとなしく遊んでいた息子でしたが、そのうち、「次は、僕の考えたルールでやろう。」と言い出しました。
しかし、そのやり方では、枚数が足らなくなったりして、うまくいかないのです。でも、父は、「あれ?おかしいねぇ、うまくいかないねぇ。」とフォローしながら、「〇〇くんはアイデアを思いつくのが上手だね。」と、息子が自分で考えようとしたところをほめていました。
父は、たとえ相手が5歳児や7歳児でも、「愛」と「敬」を持って、大人に話すように話していました。
また、ある時は、下の子たちが父のオフィスにある小ホールで、幼児が遊ぶためのソフトタッチのボールで遊んでいるところに入って、「ひゃー、当たる~!」などと声を上げながら一緒に遊び始めたのですが・・・。
「もう70を過ぎているのだから…」と、見ている私がハラハラするほど、本気で跳んだりはねたりして、子供の相手をする人でした。
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七田眞:七田式教育創始者
現在では、世界14か国に広がる「七田式教育」創始者。著書は200冊を超える。