【目からウロコ!】七田式教育の代表 七田厚が語る幼児教育「その時、父は…」第10回 七田 厚

英語の学ばせ方

私たち子供が幼いころ、父(七田眞:七田式教育創始者*)は自宅で中高生を中心に英語を教えていたのですが、実は父は、英語圏に留学をした経験がないどころか、高校の時、クラスでいちばん英語ができなかったのです。

 

英語の授業中、あてられても答えられず、モジモジ…。

このままではいけないと思った父は、最初の夏休みに猛勉強。1日70語ずつ、英単語を覚えていきました。

その結果、2学期が始まった時には、クラスでいちばん英語ができるようになっていたそうです。

 

卒業後、通訳をしていたこともある父なのですが、私たち子供に英語を身につけさせる際に、一計を案じ、自分は決して英語をしゃべらないようにしました。

それで、父はどうしたのでしょう?

英語を話さない親の子が英語を話せるように!

英語を話さない両親の子供が英語を話せるように育てたいと思い、それをわが子で実験したのです。

子供に大人の英会話を聞かせても意味がないので、子供用の家庭英会話の教材を探したのですが、何しろ40年も前のことで、なかなか見つかりませんでした。

 

そして、クマの親子が主人公の家庭英会話の教材を見つけ、父はそのカセットテープを、毎日、朝食の時に流し始めたのですが、当時5~6歳だった私は、「そんな変な言葉、聞きたくない!」と言っていたそうです(苦笑)。

 

しかし、2~3歳だった妹と弟は気にすることなく、朝食を食べていました。そのことがすべてだとは言いませんが、妹・弟は今、どちらも自由に英語で話をします。

でも、私は会話が多少できる程度で、ビジネスとなると、通訳が必要です。

 

同じ両親の子なのに、その違いは何か…。

それは、スタートが遅かったことがいちばんの理由です。日本人顔なのに日本語が話せない日系2世・3世の方や、欧米系の顔なのに英語はしゃべれず、流暢な関西弁を話す方もいらっしゃいます。

 

つまり、言語は遺伝するわけではなく、幼児のころ、家の中や周囲で話されている言葉を自然に身につけていくということなのです。

下地を幼児期に耳から作ると、楽です!

小学校に入学すると私は、わが家の英語塾の中1のクラスに入れられました。でも、そこで、「ひゅーひゅー!天才児~~♪」とか言われるのが嫌で、2年生になると行かなくなりましたが…(笑)。

 

中学生になると、「英語塾の先生の息子が、英語ができないというのはどうなんだろう?」と勝手に思って、英語は結構勉強したので、高校時代も得意科目ではありました。

 

大学時代は、英語は履修しませんでしたが、週1回、日本語も話せるアメリカ人の方の家にお邪魔して、「1時間ほど英語でティータイム」をさせてもらっていたことがあります。

その時、「どうして、あなたの英語はフランス語なまりなの?」と聞かれたのですが、それは、高校時代から、ラジオのフランス語講座を聞いたり、教材を買って聞いたりしていたので、そうなってしまったみたいです!

 

父のように、かなり努力して、学生時代に英語を身につける方はいらっしゃいますが、幼児の時から家庭英会話を聞かせておくと、下地ができて、いざという時、スムーズに身につくのでしょう。

*

七田眞:七田式教育創始者
現在では、世界14か国に広がる「七田式教育」創始者。著書は200冊を超える。