自己実現力を伸ばす!幼児期のうちから始められる「イメージトレーニング」とは?
こんにちは。
子育てに奮闘しているすべての方に、おうちでのお子さまとの時間がもっと充実したものになるように、様々な情報をお届けしていきます。
今回は「イメージトレーニング」についてです。
みなさんは「イメージトレーニング」と聞くと、何を想像しますか?
スポーツ選手のトレーニングや発表会の前など、緊張する場面を想像される方が多いかもしれません。
では、幼いお子さまにおける「イメージトレーニング」がどのようなものかご存知でしょうか。
幼児期のうちからイメージトレーニングに取り組んでおくことで、様々な効果が期待できます。
今日から実践できる取り組みをご紹介していますので、ご家庭でもぜひご活用ください。
《目次》
1.イメージトレーニングはなぜ大切?
2.どうやってイメージさせたらいいの?
3.おうちで実践!今すぐできるイメージトレーニングをご紹介
4.さらにレベルアップ!日常生活でも応用して目標達成!
5.イメージトレーニングのポイントをおさらい!
1.イメージトレーニングはなぜ大切?
近年、スポーツ選手がイメージトレーニングを取り入れていることは、多くの人に知られるようになりました。
自分の夢や目標を実現するために、「視覚化」という手法を使ってイメージを高めていきます。
たとえば、マラソン選手などは、自らがゴールした瞬間をビジュアル化(視覚化)するトレーニングを取り入れていますが、頭の中で思い描いたイメージが実際に現実になるということはよくあります。
それはなぜなのでしょうか?
イメージしたことが現実化する理由は、脳科学の面からも証明されています。
脳は、快楽や多幸感を得るドーパミン神経に、だまされやすい性質を持っています。
そのため、大会で優勝した、新記録を更新したなどの嬉しい場面を具体的に何回もイメージすることで、それがイメージなのか現実に起こって感じているのか、わからなくなってしまいます。
成功体験をしたかのようなイメージをすることで、意識した方向へ自然と働くような脳になってしまうわけです。
子供の頃にイメージ力をつけることで、
成功イメージがリアルに描ける
↓
イメージに向かって行動する
↓
欲しい未来を自分で迎えに行く
というサイクルを生み出せるようになるのです。
2.どうやってイメージさせらたいいの?
お子さまの想像が膨らみやすい簡単なテーマから始めてみましょう。
たとえば、空を飛ぶイメージをご紹介します。
まずは、リラックスした状態にするために、目を閉じて3回深呼吸をします。
そして、言葉がけによってイメージを始めていきます。
イメージをするときは、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)へ働きかける言葉がけをします。
どんな景色が見えているかな?
どんな音が聞こえるかな?
匂いは?
風は強い?弱い?
どんなことを感じる?
テーマによっては、どんな味か、触った感じはどうかなどを聞きます。
左右を見渡してみたり、誰かが話している声を聞いてみたり、イメージがどんどん膨らんでいくように言葉がけをします。
より鮮明にイメージを見るためには、できるだけ具体的に思い浮かべることが大切です。
五感に働きかける言葉がけをすることによって、より深くイメージの世界へ導くことができます。
イメージが終わったら、必ず「どんなものが見えた?」「どんな音が聞こえた?」「どんなことを感じた?」などと聞いてあげましょう。
頭の中でイメージしたものを言葉にしたり、絵に描いたり、アウトプット(出力)することが大切なのです。
3.おうちで実践!今すぐできるイメージトレーニングをご紹介
おうちでイメージトレーニングをするときには、どんなテーマでも構いません。
海の中を散歩したり、車に乗って運転したり、アイドルになってコンサートをしたり・・・
お子さまが好きなことをイメージさせてあげてください。
現実ではあり得ないことを楽しむのも、イメージトレーニングの楽しさの一つです。
実際に、どのように言葉がけをしたらよいか、一例を紹介します。
例:海の中を散歩するイメージ
「今日は、海の中をお散歩してみようね。
目を閉じて、ゆっくり呼吸をするよ。
3つ数えたら、目の前に広い海が広がっていて、あなたは砂浜に立っているよ。
1、2、3・・・
青い海が広がっていてきれいだね。一歩ずつ海の中に入ってみよう。
冷たくて気持ちいいね。どんどん進んで行ってみよう。
何が見えるかな?
どんな音が聞こえるかな?
海の中はどんな匂いかな?
お魚がいるね。話しかけてみよう。
どんな気分かな?
自由にイメージしてみよう。
・・・・・・・・・・
そろそろお部屋に帰って来よう。
3つ数を数えたら、全部消えて、お部屋に帰って来るよ。
3、2、1・・・帰って来たよ。」
このような内容の言葉を、小さな声で語りかけてあげましょう。
イメージが終わったら、どんなものが見えたのか、聞いてあげるのを忘れないでくださいね。
イメージするテーマに合わせて、自由に言葉を変えてください。
言葉がけで気を付けていただきたいポイントは、無理な展開にならないようにすることです。
場面がコロコロと変わってしまったり、動物になるイメージの際に味を聞いたりするなどです。
イメージの世界でも、あまりにも無理な展開にしてしまうと、お子さまが混乱してしまいます。
とはいえ、難しいことではないので、おうちの方も一緒にイメージをしながら、少しずつ幅を広げていきましょう。
4.さらにレベルアップ!日常生活でも応用して目標達成!
幼児期は、右脳が優位に働いている時期なので、お子さまは自然とイメージを見ることができます。
しかし、4歳以降になると、お子さまの中には、「イメージが見えない」という場合もあります。
また、いつも同じようなテーマばかりになってしまう、もっとイメージトレーニングをがんばりたいという方へ、いくつかのパターンをご紹介します。
STEP1 〈残像カードあそび〉
残像カードを使い、色の残像を利用して右脳のイメージ力を高める遊びです。
イメージが見えないというお子さまに効果的です。
ここでは、写真のようなカードを使います。
オレンジ色の紙の中心に、青い丸が描いてあるものです。
手作りされる際には、必ずこの色の組み合わせにしてください。
取り組み方
①目を閉じてゆっくりと3回深呼吸をします。
②目を開けて、カードの中心にある青い丸を30秒間見つめます。(このとき、なるべく瞬きをしないようにしましょう。)
③再び目を閉じます。
④まぶたの裏に映る残像を見ます。
⑤残像が消えたら目を開けます。
最初のうちは、残像は青い背景にオレンジの丸が見えると思います。
これは、青とオレンジが補色の関係にあるためです。
くり返していくと、見たままのオレンジの背景に青い丸の残像が見えるようになります。
これが、イメージが見えている状態です。
大人でもできますので、おうちの方も一度試してみてください。
お子さまがどのようにイメージを見ているのか、理解していただけると思います。
このように、残像カードで遊ぶことを習慣化すると、必然的に、自発的なイメージ力も高まってきます。
そのままの色が見えるようになったら、次は残像がより長く残るようにしていきます。
そして、青丸の色や形を自由に変えていけるように、ステップアップしていきましょう。
たとえば、「青い丸が青い鳥になって飛んでいるよ。」という風に、中心の丸を自由自在に変化させましょう。
ステップアップは個人差がありますので、すぐにできなくても大丈夫です。
このトレーニングを続けることで、イメージが見えないというお子さまもできるようになります。
STEP2 〈絵本の続きのイメージ〉
お子さまの好みに合わせていると、ついいつもと同じ内容になってしまったり、新しいテーマが思いつかなかったりしてしまうこともあることでしょう。
そういうときは、絵本を使ってイメージをしてみましょう。
・絵本の主人公になりきって、登場人物と一緒に遊ぶイメージ
・そのストーリーの続きを考えるイメージ
・背景のお城の中に入って探検するイメージ
・小人や巨人になって、お家の中を冒険するイメージ
・恐竜の背中に乗って、ジャングルの中を歩くイメージ
お持ちの絵本を使って、様々なイメージトレーニングをすることができます。
実際に絵本を読んだ後や、イラストを見た後に行うことで、よりスムーズにイメージの世界に入ることができます。
これをしなければいけないという決まりはありません。
普段の生活の中でも、ネタになるものはたくさんあります。
お子さまの興味がありそうなものがあれば、ぜひ取り入れてみましょう。
STEP3 〈目標を達成するイメージ〉
イメージが自由に見えるようになったら、日常生活に応用していきましょう。
それが、スポーツ選手が活用しているような、目標を達成するイメージです。
お子さまの生活の中でも、このイメージをしていただきたい場面はたくさんあります。
たとえば、保育園・幼稚園での発表会、習い事の試合やコンクール、今までできなかったことにチャレンジしているときなどです。
方法は、他のイメージトレーニングと変わりません。
ここでは、ピアノの発表会で上手に弾けるイメージをしてみましょう。
例:ピアノの発表会
「今日は、ピアノの発表会で、上手にピアノが弾けるイメージをしようね。
目を閉じて、3回ゆっくり呼吸をするよ。
3つ数を数えたら、発表会のステージの上で、あなたはピアノの横に立っているよ。
1、2、3・・・
今、あなたは発表会のステージの上に立っています。
目の前には、たくさんのお客さんがいて、あなたのピアノを聞いてくれるよ。
お辞儀をして、ピアノの前の椅子に座ろう。
さあ、鍵盤に手を置いて、始めるよ。
とっても上手に弾いているよ。
たくさん練習したから、指が自由に動いていくね。
ピアノもあなたを応援して、一緒に弾いてくれているよ。
お客さんも、ピアノの先生も、みんな笑顔で聞いてくれているよ。
あと少し、最後まで気持ちよく弾いてみよう。
最後まで上手に弾けたね。
お客さんの方を向いて、お辞儀をしよう。
みんな、上手だったよって拍手をしてくれているよ。
あなたもとってもいい笑顔をしているよ。
今、どんな気持ちかな?
そろそろお部屋に戻って来るよ。
3つ数えたら、目を開けてね。
3、2、1・・・
目を開けて、お部屋に戻って来たよ。」
内容は、イメージのテーマによって異なりますが、こんな感じで上手にできることをイメージします。
本番で緊張しやすいお子さまにも、このイメージはおすすめです。
いつも失敗してしまうところが上手にできたり、周りのみんなも喜んでくれている、上手にできたときの自分の気持ちなど、具体的にイメージすることが大切です。
最初は完璧にできなくても、くり返しトレーニングすることで、イメージ自体も上手にできるようになりますし、お子さまがチャレンジしていることの上達にも繋がります。
なぜなら、前述したように、脳にはイメージしたことが現実になるという特性があるからです。
成功体験を何度もイメージすることが重要なのです。
特に5~6歳のお子さまには、ぜひ取り入れていただきたい取り組みです。
5.イメージトレーニングのポイントをおさらい!
・五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)に働きかける言葉がけをしましょう。
・言葉がけは無理な展開にならないようにしましょう。
・イメージが終わった後は、必ずアウトプットさせてあげましょう。
人は無意識の方向へ向かって行動していくものなので、なりたい自分、そうなっている自分を具体的にイメージすることによって、無意識にその未来のための行動をとり始めるのです。
また、ピンチをチャンスに変える柔軟な発想、仕事や人間関係、人生を豊かにする考え方も、イメージ力をつけることで育まれます。
幼少期から始めることで、大人になってから自分の思考を現実にしていくほどのイメージ力を培っていくことができるのです。
いかがでしたか?
イメージトレーニングは決して難しいことではありません。
ぜひ、それぞれのご家庭で工夫しながら、取り組みをしてみてください。