0歳からの取り組みで「記憶」が得意な子供に育つ⁉ なんでもひと目で記憶できる「写真記憶」の力とは・・・?

こんにちは!しちだ・教育研究所です。

皆さん、「写真記憶」という言葉を聞いたことがありますか?
見た景色を、パッと写真のように記憶する力のことです。

皆さんは、頭の中に強烈に焼き付いて忘れられない景色や場面はないでしょうか?

人物の格好や周りの景色など、何年経っても鮮明に思い出すことができる記憶は、頭の中で、本当に写真を見ているかのような感覚になりますよね。
「写真記憶」という言葉を知ったとき、まさしく「これのことだ!」と思いました。

クイズ番組を見ていると、画面を一瞬で見て解答している人たちがいます。
あまりにも一瞬の出来事で、私は家族で見ていても全くわかりません・・・。

でも、もしも、このような記憶力があったら・・・?

理科や社会で習ったグラフや図なんて、あっという間に覚えられた?
新しい漢字や数学の公式も、あんなに何度も書いたりしなくてもよかった?
教科書を丸々覚えていたら、もっとテストが楽だったのに・・・

なんて思ってしまいます。

今だって、恐竜や電車の名前を子供はすぐに覚えるのに、
私は何回見ても絵と名前が一致しない・・・
子供に聞かれても答えられない・・・

そんなときに、図鑑を丸ごと覚えてしまいたい!と思うことがあります。

この写真記憶の能力は、特別な人が持っているものだと諦めていませんか?

実は写真記憶は、本来、誰もが持っている脳の力の一つなんです。
ただ、成長するにつれて、ほとんどの人が使えなくなっています。

脳の発達が活発な幼児期のお子さまは、みんなこの力を持っているのです。
だからこそ、この力を使いたいときに使えるように、小さなうちからのトレーニングが大切になります。

目次
●写真記憶ってどんなもの?
●STEP1 「見る力」を育てましょう
●STEP2 パッと見て覚える練習をしましょう
●STEP3 直観像に挑戦しましょう
●なぜ幼児期に記憶力を育てることが大切なのか

カメラ

写真記憶ってどんなもの?

写真記憶とは、読んで字の如く、
瞬時に物事を画像としてとらえる記憶のことです。

記憶力はすべての学習の基礎となる能力といってよいでしょう。
ただし、記憶といっても「質」はさまざまです。
本を読むなど、言葉を理解することを通してつくられた記憶は、
質的には劣り、すぐに忘れてしまいます。
一方でイメージされた記憶は、質が良く、いつまでも鮮明に残ります。

「写真記憶」でいう記憶とは、イメージを使った記憶のことです。

「写真のようにイメージを焼き付け、保存しておいて、必要なときにいつでも再現できる」

七田式教育では、この一連の流れをセットで「記憶」と考えています。
この能力は、幼児期に身につけてしまうのが、もっとも効率よく、しかも効果的です。

今回は、この「写真記憶」の力を伸ばすために、
幼児期にできるトレーニングについて、ご紹介していきます。

 

赤ちゃんパペット

STEP1 「見る力」を育てましょう

イメージによって、見たものを瞬時に覚える「写真記憶」ですが、
その力を高めるために必要なのが、「ものを見る力」です。

写真記憶で大切なことの一つに、視野の広さがあります。
視野が広いと、ひと目でたくさんのものを見ることができますよね。
その分、覚えられる範囲も広がるというわけです。

特に幼児期は、「周辺視野」といって、一点に焦点を合わせるのではなく、
全体をとらえる見方が得意です。
成長するにしたがって、焦点を絞る見方が優位になっていきますから、
それだけ、身につけるのが難しくなってしまいます。

せっかく写真記憶ができる力があるのに、
狭いスペースしか覚えられなければ、あまり意味がありません。
まずは、目を動かして、見る力をつけましょう。

七田式教室では、パペットの動きを目で追いかける遊びをして、
ものを見る力を育てていきます。

おうちでも、音の出るおもちゃやぬいぐるみなどを使って実践するとよいです。
「こっちだよ!」と呼びかけながら、赤ちゃんの目の前で上下・左右にゆっくりと動かし、
目で追わせましょう。
目の周りの筋肉を刺激し、ものを見る力を高め、「写真記憶」の力を高めます。

パペット遊び

〈取り組み方〉

①お子さまが好きそうなパペットやぬいぐるみなどを用意します。

②おうちの方の背中の後ろや、机の下に隠しておいて、
「〇〇くん(ちゃん)、こんにちは!」などと言って登場させ、注目させます。

このとき、突然登場させると効果的です!お子さまの注意を引きつけましょう。

③「今から追いかけっこするから、頭を動かさずに、目だけで追いかけて来てね!」
と言って、「右」「左」と、まずは左右にパペットを2〜3往復動かします。

このとき、「頭を動かさずに」というところがポイントです。
目だけを左右に動かすことで、正面を向いていても、
より広い視野を持つことができるようになります。

最初は難しいので、完璧でなくても大丈夫!
しっかり目を動かせていればOKとして、徐々にできるようにしていきましょう。
もし、どうしても顔が左右に動いてしまうようであれば、
お母さんがパペットの役をしているときは、
お父さんが後ろから頭が動かないように軽く押さえてあげるような
サポートをしてあげてください。

④「次は上と下に行くよ」と言って、「上」「下」と、今度は上下に2〜3往復動かします。

このときも、注意点は同じです。
頭が動いてしまわないように、目だけ動かすようにしましょう。

⑤「よく見てくれたね!」など、ほめる言葉がけをして、「またね~」とパペットをまた隠 して終わりです。

ポイントは3つ!

・動かす範囲とスピードは?
左右はおうちの方の肩幅くらい、
上下は頭から胸の辺りの範囲までを目安にスタートしてみましょう。
できるようであれば、徐々に左右、上下共に少しずつ範囲を広げていきましょう。
動かすスピードは、最初はゆっくりです。
肩幅を5秒くらいで、動かすスピードを意識してみましょう。
特に、小さいうちは目の筋肉がまだ発達段階にあるので、
あまり早く動かしてはいけません。
お子さまの目の動きが、パペットに付いて来ているのを確認しながら、
スピードを調整してあげましょう。
左右と上下に慣れてきたら、時計回り、反時計回りに回したりして、
バリエーションを増やしてみましょう。

・お子さまから見て右・上からスタート!
左右のときは、お子さまから見て右から始めるのがおすすめです。
ということは、おうちの方から見たら左側からのスタートになります。
理由は、国語の教科書のような縦書きの本を読むとき、
目線が右上からスタートするからです。
横書きの本もありますが、この時期のお子さまにとって
一番目にするものと言えば、あいうえお表だと思います。
たいていの場合、あ行から読むことが多いと思いますので、
お子さまから見て右からスタートしてあげてください。
同じ理由で、上下の場合は、上からスタートします。

・言葉がけで空間認識力もアップ!
左右、上下に動かすとき、「右」「左」「上」「下」と言葉がけをしてあげましょう。
この取り組みは、「空間認識力」のインプット効果もあります。
このとき、左右の声かけは要注意です。
お子さまから見た方向で教えてあげてください。

なかなか上手くいかない!もし、困った時は?

おもちゃ

・見てくれない
⇒鈴などの音が出るおもちゃを使ってみましょう。
テレビを消したり、部屋の中に他に気が散ってしまうものがないか確認しましょう。

・どうしても頭が動いてしまう
⇒パペットを動かす範囲が広すぎるのかもしれません。
少し狭めて、お子さまのペースに合わせてあげましょう。

・パペットがありません
⇒使うものはパペットでなくても大丈夫です。
あまり大きすぎたり小さすぎたりするものでなければ、
ボールや楽器、おうちの方の手でもいいですし、身近なものから始めてみましょう。

・いつまでやるの?
⇒このトレーニングは、七田式教室ではずっと続けています。
STEP1としてご紹介しましたが、3歳以降のお子さまにもぜひやってあげてください。
これからご紹介する、STEP2、3のウォーミングアップとしても
取り入れていただきたい取り組みです。
ぜひ、セットで覚えておいてくださいね。

小学生

STEP2 パッと見て覚える練習をしましょう

次に、パッと見て何かを覚える練習をしていきましょう。
いくつかおうちでのトレーニングをご紹介していきますが、
低年齢の時期は、お子さまによって成長に個人差があり、
できることが大きく変わってきます。
ここでは、発語があるお子さまと、まだ発語がないお子さまの取り組みに分けて、
ご紹介します。

STEP2に入る目安は、指差しで意思表示が出来ることです。
まだその段階でなければ、STEP1を繰り返してから、焦らず、時期を見てステップアップしましょう。


〇おもちゃを活用しましょう

おもちゃ

つみきやブロック、おままごとセットなど、
同じものが2組あるおもちゃを使って遊びましょう。

〈取り組み方〉
①おもちゃを1つ置いて、ハンカチで隠します。

②「ハンカチの下に何があるかな?よく見て覚えてね」と言って、ハンカチを取ります。

③1~2秒見せたら、またハンカチで隠します。

④自分で答えられるお子さまには、「何があった?」と聞いて答えさせましょう。
まだ答えられないときは、2択でおもちゃを用意して、「どっちだったかな?」と聞い
て、正しい方を取って答えさせるようにしてください。

最初は1個のおもちゃから始めます。
慣れてきたら、2個、3個と増やしていきましょう。

2個以上のときは、「どこに何があったか」まで覚えることが大切です。
2組あるおもちゃを使って、「同じように置いてみてね」と言って、答えさせましょう。

口頭で答えるときも、「こっちはなんだった?」「左は何があった?」と、
場所も正確に答えられるようにします。

 

〇フラッシュカードを活用しましょう

フラッシュカード

フラッシュカードは、写真記憶の取り組みにも使えます。
野菜や、乗り物、動物など、身近なもののカードを選んで、
パッと一瞬見せて、「何だった?」と聞いてみましょう。

〈取り組み方〉
①カードを1枚用意します。
お子さまが知っていて、色や線がはっきりとしているものを選びましょう。

②「今から、カードを見せるから、何が書いてあるかよく見てね。」
「写真をパシャッと撮るみたいに覚えるよ。」と声をかけましょう。

③1~2秒絵を見せて、カードを伏せます。

④「何の絵だった?」と聞いて、答えられるようであれば、答えさせましょう。
まだ難しければ、今見せたカードと別のカード1枚用意して、「どっちだった?」と2択から、指差しで答えさせましょう。

この取り組みでオススメの教材は、『かな絵ちゃん(フラッシュカード)』と『メモリーチップ』です。
カードと同じイラストのチップになっているので、選択肢としてご活用いただけます。

『かな絵ちゃん』のご購入はこちらから
https://bit.ly/3hnmzQC

『メモリーチップ』のご購入はこちらから
https://bit.ly/3WXkDyG

 

〇絵本を活用しましょう

一つひとつのものや動物などを教えるような、
はっきりとしたイラストや写真が載っている絵本を使って遊ぶこともできます。

最初は、1~3つくらいのイラストが載っているページをパッと見せて、
「何があった?」と聞きます。
やり方は、おもちゃやフラッシュカードのときと同様です。

慣れてきたら、右から順に、上から順になど、場所も正確に答えられるようにしましょう。
まだ言葉で言えないお子さまは、そのイラストと同じカードを用意したり、
おもちゃなどの実物の選択肢を用意して、
その中から見たものを選ばせたり、順番通りに並べたりして答えるようにしましょう。

STEP2では、「パッと見て覚える」という練習をすることが目的です。
間違えたからと言って、何度も見せたり、長く見せたりする必要はありません。
かえって、イメージによる脳のはたらきを妨げてしまうことになります。

特に小さいうちは、聞かれている意味がまだ分からず、
自分のお気に入りのものの方を選んでしまったり、
大きい方を取ってしまったりすることがよくあります。

焦ったり、一喜一憂することはありません。
何度も繰り返して、少しずつできるようにしていきましょう。
もし間違った方を選んだとしても、
「正解はこっちでした!」「同じのはどれかな?」と聞いて、
「同じものを取る」ということを教えてあげましょう。

聞かれている意味がわかると、必ずできるようになります。
ゆっくり進めていきましょう!

直感像

STEP3 直観像に挑戦しましょう

STEP2でパッと見て覚えて答えることに慣れてきたら、
もっと本格的な写真記憶のトレーニングをしていきましょう。
写真記憶は、直観像ともいいます。
ここでは、わかりやすいように、七田式教室でも使用している教材を例にご説明します。
ご自宅で手作りしていただくこともできますので、
手作りする際のポイントもご紹介します。

・用意するもの
小さいホワイトボード・・・2つ
ホワイトボード用の黒いペン・・・1本
チップ・・・色、もの、記号など複数のイラスト2セットずつ
マグネットシート・・・1枚(なくてもいいですが、あった方が取り組みやすくなります)

・作り方(6マスの場合)
①ホワイトボードを6分割するように、線を引きます。
(チップ4枚の時は4分割にしてください)
②チップの裏にマグネットシートを切って付けます。
(マスキングテープなどで貼り付ければ後から取り外すのも簡単なので、また他の取り組みにも使用できます)

・チップを手作りする場合
①段ボールや厚紙を5×5㎝に切って台紙を作ります。
②色、果物、動物、野菜、乗り物、身の回りのもの、記号など、
様々な色のイラストを2セットずつ用意します。
③②を5×5㎝に収まる大きさに切って、①に貼ります。
④③の裏にマグネットシートを切って貼ります。

イラストを選ぶときの注意点は、明るく色が鮮やかで、輪郭がはっきりとしていること!
チップはいろいろな種類があった方が取り組みやすいので、
なるべく多くの種類を作っていただきたいです。

〈事前に準備すること〉
・お手本となる6枚のチップと配置を決めます

1)カテゴリーはバランスよく
2)色や形が似たものが隣り合わない
この2点を意識して選んでみてください。

・1つはホワイトボードに貼り付けて、もう1セットはバラバラの状態で用意します

〈取り組み方〉
①お手本を伏せた状態で用意します。

②「今から、ここに書いてある絵を覚えるよ。頭の中のカメラで、パシャと写真を撮ってね。」と声をかけましょう。

③ホワイトボードを3秒程度見せて、伏せます。

④「今見たのと同じところに置いてね」と言って、何も貼っていないホワイトボードと、バラバラになったチップを渡します。

⑤全部置いたら、お手本のホワイトボードを見せて、答え合わせをします。

⑥合っているところをほめて、まちがっているところはお手本と同じように貼り直して完成させましょう。

最初は4枚から始めて、5枚、6枚と増やしていきましょう。
難しいようであれば、枚数を減らしたり、
チップを見直したりして、レベルを調整してみましょう。
繰り返しトレーニングすることで、だんだんと写真記憶に慣れてきます。
お子さまの好きなキャラクターを入れたり、
楽しんで取り組める工夫をしてみてください。

 

小学生ひまわり畑

なぜ幼児期に記憶力を育てることが大切なのか

6歳までの幼児期には「無意識の記憶力」を育てることができます。
本人は覚えようとしているわけではないのに、無意識に覚えてしまう。
これがイメージを使った記憶です。

無意識の記憶でストックされた情報は忘れることがないため、
必要なときに取り出せるのが特長です。

人は全くの”無”の状態から思考することはできません。
情報量や知識量が全てではありませんが、
自分の中に多くの知識をストックすることで、思考の幅がぐんと広がります。
蓄積された知識は、新しい発想をする際に多くのヒントを与えてくれるでしょう。

もう一つ、子供の頃に自由な時間が増えることも、記憶力のメリットです。
みんなが覚えるのに10回かかるところを2回で済むとしたら、
8回分の時間が自由に使えます。

特に学習時間が増える小学生以降は、
記憶力の差によって、自由時間に大きな差がつくのです。

子供にはたくさん遊んで毎日を楽しんでほしい。

これもまた、親の願いですよね。

子供の自由時間を増やしたいと思ったら、脳の力を鍛えて、記憶力を良くしてあげましょう。

 

いかがでしたか?
今回は、「写真記憶」をテーマにお伝えしました。
なかなか大人では理解しづらい能力かもしれませんが、
子供のうちは誰でも持っている力です。
おうちの方も一緒に取り組みながら、楽しくトレーニングしていきましょう。

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