子供に言葉を覚えさせるにはどうしたら良い?おうちで簡単にできる5つの取り組みをご紹介!
こんにちは!しちだ・教育研究所です。
ご自身の子供に限らず、子供と話しているときに、
「いつの間にそんなに難しい言葉を覚えたの?」
と、その成長スピードに驚いたことはありませんか?
逆に、まだ小さいお子さまがいらっしゃるご家庭だと、
✓同じ年齢の子と比べると、語彙量が少ない気がする
✓話しかけてもなかなか返事をしてくれない
と、言語教育に不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
お子さまが友達と遊ぶときや、学校で授業を受けるとき。
必ず家族以外の人とのコミュニケーションが必要になってきますよね。
そして、他人と円滑なコミュニケーションを図るためには、「正しく言葉を理解すること」は避けて通れません。
では、子供はどのようにして言葉を覚えるのでしょうか。
今回は、お子さまの発達段階に合わせた言語教育ができる、簡単な取り組みを5つご紹介します。
おうちでできる親子のコミュニケーションで、お子さまの言葉の世界を広げましょう!
1.「1日5分でできる!!絵本の読み聞かせ」
2.「歩きながら話しかけるだけ!おうちの家具めぐり」
3.「イメージと言葉を同時に覚える!カードを使った取り組み」
4.「ステップアップ!お風呂でひらがなの学習」
5.「子供が言葉を間違って覚えてしまったら?やまびこ法の実践」
6.「取り組みに集中してくれないときは、どうしたらいいの?」
1「1日5分でできる!!絵本の読み聞かせ」
どの年齢のお子さまでも、言葉を覚えるためには「絵本の読み聞かせ」が効果的です。
寝る前や夜ごはんの待ち時間など、ちょっとした時間を見つけて、絵本の読み聞かせを習慣にしましょう。
絵本1冊5分程度、まずは1日1冊からスタートしてみませんか。
✓まだ文字を教えていないから…。
✓言葉の意味も分からないのに、読み聞かせをして意味があるの?
など、特に赤ちゃんのときは、絵本の読み聞かせは必要あるの?と、疑問を抱くかもしれません。
しかし、絵本の読み聞かせは、
✓目でイラストを見る
✓耳で言葉を聞く
✓それらを記憶し、理解する
という能力が養われるだけではありません!
イラストと言葉を結びつけて正しく覚えるためには、話し声を聞き取り、文中で出てくる文字の配列が「単語」であると理解するための土台が必要です。
読み聞かせ中に何度も同じ文字の配列が登場すると、遅くとも生後8か月頃までには、その法則性を見つけて「単語」として認識できるようになるといわれています。
また、単語の聞き取り以外にも、言葉を話すための発声法、ものには名称があるということなど、様々な情報を得ることができるのです。
「話さない」=「何も学んでいない」ということではありません。
言葉の意味がまだ理解できない赤ちゃんや、小さなお子さまでも大丈夫です。
まずは絵本の読み聞かせで、新しい言葉に慣れることから始めましょう。
言葉に慣れ、話せるようになってくると、少しずつ自分で文字を追うようになります。
イラストに対して想像力が働いたり、絵本に興味を示す様子があれば、言葉の理解はぐんぐん伸びます。
これは、わからない単語が出てきても、読んでいくうちに文脈の中で理解できたり、イラストを見て感じ取るイメージから推理できるようになるためです。
3歳以降は自分の好きなものがわかってくるため、お子さまの好奇心や探究心を刺激する図鑑を一緒に見てみるのもおすすめです。
絵本の読み聞かせをきっかけに、お子さまの興味や話題を広げましょう。
2「歩きながら話しかけるだけ!おうちの家具めぐり」
お子さまの健やかな成長のためには、親子のコミュニケーションが必須です。
しかし、「言葉がわからない子供に、何を話せばいいの?」とお悩みの方もいらっしゃるはずです。
小さなお子さまがいらっしゃる家庭におすすめしたい取り組みは、「おうちの家具めぐり」です。
お子さまを抱っこしながら家の中をぐるっと回り、目についたものについて、説明を交えながら話しかける方法です。
「これはテーブルだよ。四角いね。」
「この食器棚の色は、茶色だよ。」
「パパの靴は大きいね。○○くん(ちゃん)の靴は小さいね。」
というように、目に見えるものの特徴を、短い文章で語りかけると、
身近なものについて覚えると同時に、色や形、形容詞の概念について、少しずつ学ぶことができます。
このとき、五感を刺激するような表現を使うのもおすすめです。
「クッションは、ふわふわしていて柔らかいね。」
「たわしは、触るととちくちくするね。」
「みかんは、甘いにおいがするね。」
このように触覚や嗅覚で感じるイメージを意識して話しかけると、想像力が育ち、作文や国語の学習などにもつながります。
「家具めぐり」をすることで、日常生活や遊びの場が学びの場に変化します。
実物を目で確認しながら取り組めるため、もののサイズ感や立体感、距離感についても確認することができますよね。
まずは、身近にある簡単なものから探して始めてみましょう!
3「イメージと言葉を同時に覚える!カードを使った取り組み」
0歳のお子さまでも、おうちで手軽に始められる取り組みが、「フラッシュカード」です。
フラッシュカードは、絵と文字が描かれたカードを、1枚1秒以下のスピードで素早くめくって見せ、同時に単語を読み上げる取り組みです。
スピードが求められるため、保護者の方は少し練習が必要になりますが、コツを掴めば必ず上手にできるようになります。
お子さまが大量に言葉を覚えることができる、とても効率的な取り組みです。
「食べ物」「乗り物」「動物」など、いくつかのカテゴリのカードを準備して、お子さまに見せてみましょう。
身の回りの物をはじめ、日常生活において目にすることがないものも織り交ぜることで、語彙力アップも期待できます。
「うさぎ、いぬ、ねこ…」など、大人にとっては身近な存在のものでも、お子さまにとってはどれも新鮮なものです。
知らないものがたくさん登場するので、楽しく取り組むことができます。
また、集中してじっと見てくれるカードがあると、お子さまの興味のあるカテゴリがわかります。
お子さまとの話題や、お出かけのきっかけになるかもしれませんね。
設定するカテゴリを工夫することで、絵本の読み聞かせや家具めぐりなど、他の取り組みにも生かすことができます。
ひらがなの読み書きの前に、まずはたくさんの言葉を知ることから!
フラッシュカードを使って、たくさんの言葉と出会うきっかけを作りましょう。
4「ステップアップ!お風呂でひらがなの学習」
ある程度言葉がわかるようになったお子さまには、「ひらがなチャート」を使った取り組みをおすすめします。
「あ、い、う、え、お…」と順番に指をさしながら読み上げるのも効果的ですが、特におすすめしたいのは、遊び感覚で言葉を作って覚える方法です。
お風呂の壁にひらがなチャートを貼り、
「家族の名前を指さししてみよう。」
「言葉を3つ作ってからお風呂からあがろう。」
と声掛けをし、言葉づくりゲームのようにすると楽しく取り組むことができます。
このとき、「がんばって覚えようね」と無理に覚えさせるのではなく、「一緒に遊ぼうね」という姿勢を見せるようにすると、お子さまのやる気もアップします。
お風呂の時間に毎日の遊びとして取り組むことで、学びが習慣となります。
まずは身近な短い単語から始めて、レベルアップしたらカタカナチャートにも挑戦してみましょう!
5「子供が言葉を間違って覚えてしまったら?やまびこ法の実践」
お子さまが「牛」を見て「あ、馬だ!」と言ったとき、どのように間違いを伝えていらっしゃいますか?
違う単語や名前を言ってしまうことは、子供が言葉を覚えるにあたって、必ず起こる出来事ですよね。
そんな時におすすめしたいのは、お子さまとの会話に「やまびこ法」を取り入れることです。
お子さまが「あ、馬だ!」と言ってしまった時、
「あれは馬じゃなくて牛だよ。」と否定するように言うのではなく、
「本当だ!牛が一頭いるね。」と、さりげなく訂正するという方法です。
どのような会話をしているときでも応用できる、とても簡単な返答ですよね。
お子さまは図鑑や実物を見て、新しく言葉を覚えようとしています。
「違うよ。あれは馬じゃなくて牛だよ。」と否定して修正することは、簡単です。
しかし「間違いだ」と否定してしまうと、お子さまが新しく覚えた言葉を口に出すことを恐れてしまったり、新しい言葉を覚えるやる気につながらない可能性があります。
お子さまの頑張りを認めつつ、正しく言葉を覚えてほしい。
そんなときは、是非「やまびこ法」を使って教えてあげてくださいね。
実はこの「やまびこ法」は、お子さまとの日常会話でも使うことで、話す訓練をさせることができます。
たとえば、「今日、Aちゃんと遊んだよ!」と教えてくれた時には
「そう、Aちゃんと遊んだのね。何をして遊んだの?」と返します。
お子さまが話してくれた内容を繰り返してから次の話題を返すことで、話をしっかり聞いているということ、お子さまの話にしっかり興味を持っているということを伝えることができます。
また、お子さまがお話をするやる気にもつながりますし、会話からお子さまの身の回りのことを知るきっかけにもなりますよね。
まずは普段の会話から「やまびこ法」を実践してみてくださいね!
6「取り組みに集中してくれないときは、どうしたらいいの?」
どの取り組みも、お子さまが嫌がっているのに無理に集中させる必要はありません。
取り組みの時間をずらしたり、取り組む内容を変えてみたりして、お子さまのペースに合わせましょう。
今回は、おうちでできる5つの取り組みを紹介しました。
「周囲の子はできているのに、うちの子はできない…」と悩む必要はありません。
お子さまによって好みは分かれますので、いろいろな取り組みを試して、お子さまにあった方法を見つけてくださいね。
また、各取り組みでも、ちょっとした工夫で楽しくなるかもしれません。
たとえば絵本の読み聞かせの場合、使用する絵本はその子の年齢に合ったレベルのものに限る必要はありません。
お子さまが楽しく聞けているのであれば、上の年齢向け、逆に下の年齢向けの絵本でも大丈夫です。
カラフルな絵本、触感を楽しむ絵本、擬音語・擬態語が出てくる絵本などは、五感を刺激する表現が多く、お子さまの関心が向きやすいのでおすすめです。
日々の生活に習慣として学びを取り入れて、親子で楽しく言語教育に取り組みましょう!
参考文献
・『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』(針生悦子 著/中公親書ラクレ)
・『忙しいママのための七田式「自分で学ぶ子」の育て方』(七田厚 著/幻冬舎)